■テスラからのクレジット購入を検討
ZEVのクレジット売買はエコカー市場の先行指標とも言える。ZEV車は渋滞を避けるために同州の高速道路に設けられた「カープールレーン」を優先して走れるため、ユーザーの関心も高い。プリウスの快走はカリフォルニア州から始まり、トヨタのエコカー戦略の基盤となった。その地で基盤が崩れる足音が聞こえ始めたのだ。
苦境に立たされたトヨタは様々な手を講じていく。ZEV規制の未達で罰金を払うのは、長年培ってきた環境ブランドを損なうため何としても避けたい。そのため、大量のクレジットを抱えるテスラからZEVクレジットを購入する検討に入った。
ちなみに、そのテスラはZEVを収益源としている。同社は2013年1~3月期に約6800万ドル(約80億円)のZEV排出枠を販売した。固定費がほとんどかからず大半が利益になり、テスラの四半期としての初の黒字化に寄与した。ZEV規制はニューヨークやメリーランドなど全米各州でも導入の動きがある。
■「ZEV規制対応の意味合いが強い」
トヨタがZEV規制対応の切り札として期待するのがミライだ。トヨタはテスラのようにEVの量販車を販売していないため、FCVに頼らざるを得ない。
プラグインハイブリッド車(PHV)もZEVの対象となるが、EVやFCVより1台当たりのクレジット獲得ポイントが少ない。米国におけるミライの販売目標を2017年末までに3000台以上と発表したのは、「ZEV規制対応の意味合いが強い」(トヨタ関係者)のだ。
トヨタはミライの発売を「変革への第一歩」と位置付けた。プリウスのような画期的な製品でイノベーションを主導する先進イメージを作り、ブランド価値を高める効果を狙う。しかし、実際にはZEV規制で苦境に立たされているトヨタは、FCVに「ZEV規制対応」という現実的な任務を課しており、販売増が急務となっている。
(日経エコロジー 大西孝弘)
人気記事をまとめてチェック >>設定はこちら
プリウス、トヨタ、ミライ、燃料電池車、テスラ・モーターズ、ZEV規制、ハイブリッド車
2014年3月、沖ノ鳥島の桟橋工事で7人の犠牲者を出す重大災害が発生した。土木業界では2012年以降、大惨事となった事故が立て続けに起こっている。これらの悲劇を「想定外」として終わらせるようであれば…続き (11/18)
厚生労働省の「地域人づくり事業」が各地で動き出した。交付金を受けた自治体が、民間企業の雇用拡大などの取り組みに助成する。未経験者の採用に二の足を踏んでいた中小企業も、この事業のおかげで雇用に踏み切れ…続き (11/12)
各種サービスの説明をご覧ください。
・エボラに挑む「富山の奇跡」 富士フイルム系、お蔵入り薬が脚光
・販売代理店をクラウド「武装」 OBC、業務ソフト「奉行」拡販
・盗めば壊れる、究極の「量子暗号」 NEC、東芝など事業化に挑む
・ダイハツ、地域限定車を主力車種に拡大
・ムトーエンジ、家庭用3Dプリンター 自社製ヘッドで高精度…続き