東電トレンチ止水失敗 1兆1700ベクレル残留
東京電力は21日、福島第1原発2号機の海側トレンチ(電源ケーブルが通る地下道)にたまっている高濃度汚染水の止水に失敗したと発表した。
汚染水を凍結し、止水した上で抜き取る当初の計画を断念。今後セメントを流し込んでトレンチを埋めるが、汚染水は完全に除去できず、数億ベクレルの水約25トンがトレンチに残るという。
17日にトレンチの汚染水約5000トンのうち約200トンを試験的に抜き取った。水位はいったん下がったが、2時間半後に10センチ上昇した。止水できず、建屋側から汚染水が流入したとみられる。
今月下旬から来年3月末まで、汚染水を徐々にくみ上げながらセメント約5000トンを流し込む。セメント内には汚染水約50トンが含まれ、総量1兆1700ベクレルの放射性セシウムがとどまる。
汚染水除去は、来年3月の凍結開始を目指す「凍土遮水壁」設置の前提条件。東電は4月、接続部を凍結させる止水作業を始めたが難航し10月以降、間詰め剤を投入する追加対策を講じていた。
東電は21日、原子力規制委員会の検討会合で事実関係を明らかにし、規制委はセメント充填(じゅうてん)を認めた。
2014年11月22日土曜日