他の半導体メーカーも、製造に特化する台湾勢や大規模投資を行う韓国のサムスン電子に押され、国内拠点の統廃合が相次ぐ。パナソニックは今年度中に岡山工場を閉鎖するほか、4月には国内の3工場をイスラエルのタワージャズに売却した。富士通も7月に三重と会津若松工場を分社化し、米国と台湾企業の出資受け入れを発表した。
安倍政権によるアベノミクス効果で円高から円安に転じたが、海外に生産を移管した企業が、国内生産に戻る動きはまだ乏しい。今年、ホンダはメキシコで、日産自動車はブラジルでともに新工場を稼働した。自動車メーカーは生産コストの軽減や為替リスクの回避に加え、現地のニーズをいち早く取り込むため、海外生産移管を加速している。
だが、経済産業省の幹部は「工場の撤退で地方の元気がなくなっているのは理解しているが、行政としては何もできない」とつれない。グローバル競争の中にいる民間企業の経営には、立ち入れないとのスタンスだ。
地方創生には、まず雇用の確保が不可欠だ。そのためには企業による国内生産の維持と、雇用の確保が欠かせない。製造業の国内生産をいかに活性化するかが、新政権の“宿題”となる。