以前、私が障害者の性についての記事を書いたら友人がこの映画見たことある?と紹介してくれました。
『暗闇から手をのばせ』 公式サイト
作品の内容は身体障害者向けデリヘルの話です。
デリヘルってそもそもなんの略なんだろうと調べたら、デリバリーヘルスの略でした。
派遣型の女性が男性に性的サービスを行う業態だそうです。
以下ネタバレと私のまとまらない感想をツラツラ書きます。
デリヘルの仕事を元々していた女性【沙織】は、障害者なら動けないし怖くないしという理由で、身体障害者向けのデリヘルの仕事を始めます。作中では、3人の身体障害者の方が出演されています。
1人は「進行性筋ジストロフィー」の方。
1人は「先天性多発性関節拘縮症(せんてんせい たはつせいかんせつこうしゅくしょう)」の方。
もう1人は「交通事故で下身体麻痺」の後天性障害の方。
この作品は身体障害者の方にフォーカスをあて、先天性と後天性の「障害」の受け取り方が描かれており、深刻化されているセックスワークにも少し触れている、考えさせられる題材だと思いました。
先天性多発性関節拘縮症の障害者である男性【中嶋】の、セリフだと分かっていても私の心に響いた言葉。
「障害者って可哀想だと思う?」
沙織は何も答えられないのですが…私もこの質問に何て返すのだろうと…。
性的サービスを行うために、車いすからベットに移動をするのシーンがあるのですが、沙織1人では移動できません。店長である男性と一緒にベッドに移動するのですが、「なんでHなことをするときに男性がいるんだよ~3pかよ~萎えちゃうよ~(笑)」って中嶋は言うのですが、本当にそうだよなと。実際のデリヘルを私は知らないので分からないのですが、プライベートな男女の中に、男性が居たら、確かに盛り下がるよねと突き刺さったシーンです。
又、交通事故で下身体麻痺の後天性の障害のお宅に派遣される沙織。
デリヘルを呼んだのは彼のお母さん。
これほど、ご本人にとって虚しく悲しいものはないだろう。
交通事故に遭わなければ、障害者になることはなかったのだから。
お母さんなりに考えデリヘルの依頼をしたのだと思うけれどご本人のプライドはズタズタであろう。
障害者の性にはプライシーなんて存在しないのかもしれないと思うと悲しく切ないと思った。
“性”だけではないコミュニケーションを図ることで“障害”への偏見が変わり、人のために必要とされていると作中で沙織の心情はプラスに変わっていきます。
そんな中、筋ジストロフィーの男性が亡くなります。
筋肉が衰えていく障害なので、最期はなにもできなくなっていきます、しゃべることも。
亡くなった彼の親族に、沙織は苦しんでいませんでしたか?と心配して聞くのですが、その親族には「デリヘルなんて気持ち悪い!!!そんな気持ち悪い奴に話す必要はない。」と言われてしまいます。
世の中のデリヘルに対するイメージなのでしょうか…。
さらに追い打ちをかけるかのように沙織は強姦されます。
デリヘルは派遣型というサービス業態のため男性と2人きりの完全個室でのサービス。障害者のフリをした男性が沙織に強姦するという危険な場面がありました。何かしらの事情があってセックスワークをしている女性が安心して働ける環境作りはできないものか…と、一歩間違えれば殺人です。でも世間的には、“いかがわしい仕事”と認知されているため隠しながら生活をしている現状に、胸が締め付けられる思いです。
ホワイトハンズさんのニュースを見て
今から2年前に、ニュースで放映された障害者の方に対する自慰行為を“性のケア”として取り組んでいる映像です。
ホワイトハンズさんは、障害者の性についてワークショップを開いたり、勉強会を開催している一般社団法人です。
人間には三大欲求の1つとして、性欲があります。
何も恥ずかしいことではないのです。
しかし、自慰行為を身体の不自由、障害ゆえに自分で処理できず、困ってる方は沢山います。
このホワイトハンズさんの取り組みを知ったのはこの記事に書きましたが数年前の勉強会でのこと。
障害者の性について共有することは難しいのかな - 福祉の基本
同僚に「障害者の方とあんずさんSEXできる?」という質問を受けました。
「私は何にも問題ないけど、ご本人は私とSEXして満足なのだろうか?」と会話した記憶があります。
障害者だから、色々妥協してHする人を選べないのですか?
この映画をみていても、このニュースをみていても、本人はそれで満足なのかな?と私の中でモヤモヤが消えません。
うまく書けないのですが、淡々と性処理していく姿がとても切なかったです。
世の中には法に触れる風俗店が沢山あります。安全で健全な仕事として確立していたら性のケアという風に謳ってないんじゃないかな?とおもうんです。
一般社団法人ホワイトハンズ 私たちは、新しい「性の公共」をつくります。
リンク貼らせていただきます。
まだまだ、勉強不足だなと痛感しております。