報復恐れ共犯者が名前挙げた?裁判員裁判で無罪
東京都内の女性(当時41歳)宅に侵入し、殴った上で現金約1300万円などを奪ったとして強盗致傷罪などに問われた飲食店経営の男性被告(33)の裁判員裁判で、東京地裁は21日、無罪(求刑・懲役10年)の判決を言い渡した。
杉山慎治裁判長は「被告が犯人だとする共犯者の供述には十分な根拠がない」と述べた。
男性は2009年7月、宅配業者を装って共犯者の男(懲役2年6月が確定)らと犯行に及んだとして起訴された。公判で被告側は「全く身に覚えがない」と主張。判決は、共犯者の男が真犯人の関係者からの報復を恐れ、真犯人の代わりに男性の名前を挙げた可能性があると指摘した。
判決後、記者会見に応じた裁判員の会社員男性(28)は「人の証言のみで判断するのは難しく、かなり時間をかけて議論した」と話した。