大阪・茨木市3歳児衰弱死 虐待ではという状況が目撃される
フジテレビ系(FNN) 11月21日(金)19時23分配信
満足な食事を与えられず衰弱死した岸本 紗弥音ちゃん(3)。遺体で見つかった紗弥音ちゃんの胃の中は空っぽで、腸には、タマネギの皮やロウソクのろう、それにアルミ箔(はく)が残されていた。近所の人は「(紗弥音ちゃんは)細くて、あまり元気がないようなイメージ。細くて、とにかく細い子」と語った。
微笑む両親のもとで、どこかうつろな表情を浮かべている女の子。
別の写真では、右目の周りが青くなっていてあざのようなものが見える。
2014年6月、大阪・茨木市の自宅で亡くなった岸本 紗弥音ちゃん。
死因は、栄養不足による衰弱死だった。
紗弥音ちゃんに満足な食事を与えず、衰弱死させたとして、父親の岸本友希容疑者(22)と、19歳の母親が殺人の疑いで逮捕された。
近所の人は「少しやせていた。窓が開いていた時には、叱っているような声もあったが、ご夫婦も、そんなことしなさそう、仲はよさそう」と語った。
当時3歳10カ月の紗弥音ちゃんの体重は、わずか8kg。
平均の半分ほどにまでやせ細り、ほぼ骨と皮だけの状態だったという。
司法解剖の結果、胃の中は空で、腸からはロウソクのろうや、アルミ箔、タマネギの皮が見つかっていて、紗弥音ちゃんが、空腹を紛らわすために食べたとみられている。
紗弥音ちゃんが住んでいたアパートのベランダには、小さいサンダルや子ども用のいすなど、幼い子どもとの生活感が残ったままとなっている。
友希容疑者と19歳の妻は、2013年4月に結婚した。
紗弥音ちゃんは、妻と別の男性との間に生まれた子どもだった。
友希容疑者との間には、2013年に長男が生まれ、事件当時、一家は4人暮らしだった。
悲劇は、なぜ起きたのか。
紗弥音ちゃんにご飯を食べさせた祖母が、「食べさせすぎだ」と母親に怒られるなど、周囲では、紗弥音ちゃんが虐待を受けているのではないかという状況が、たびたび目撃されていた。
近所の人は、「ベランダで、1人でポツンといるのを見かけたり。薄い長袖シャツ着ていたが、寒くないのかなと」、「(父親が)お前、何してんのじゃ! って、(子どもを)怒っていた」などと語った。
さらに、2013年秋ごろには、紗弥音ちゃんがベランダの手すりに、粘着テープで手首を巻かれ、放置されていた姿も目撃されている。
紗弥音ちゃんの頭の中には、慢性的にできた血の塊があり、警察は、2人が日常的に暴行を加えていた疑いが強いとみている。
近所の住民は「下の男の子は、すごくかわいがっていて、よく遊んでいるのを見かけていたので、お姉ちゃん(紗弥音ちゃん)はどうしたんだろうなと」と語った。
2013年10月には、保健所に虐待を疑う情報が寄せられたが、保健所は問題ないと判断し、児童相談所に知らせていなかった。
紗弥音ちゃんは、生後5カ月で筋肉の難病「先天性ミオパチー」を発症した。
しかし、症状は比較的軽く、医師は死亡との因果関係はないと判断している。
元東京地検特捜部の若狭 勝弁護士は「食べ物をあげなければ、そのまま、当然死んでしまうだろうと察しがつく。未必の殺意(死んでも構わないという思い)というのが認定できるだろう。それによって、殺人罪での逮捕ということになったと思う」と語った。
警察の調べに対し、母親は「低栄養状態なのは、好き嫌いが激しかったから」と供述するなど、両親ともに容疑を否認している。
最終更新:11月21日(金)23時38分