衆議院解散 道内の街の声11月21日 19時21分
衆議院が解散されたことについて、札幌市の70代の会社員は、「消費税の引き上げは、決まっていることで、先延ばしするから選挙をするという理屈は理解できない。
時期的にも忙しいのに選挙はしてほしくない」と話していました。
年金で生活している1人暮らしの60代の女性は、「消費税の増税などは家計に負担となっている。
莫大な予算をかけて選挙を行う前にもっとやるべきことがあると思う」と話していました。
30代の公務員の男性は、「普段、選挙のことを考える機会も少ないので、いい機会になるのではないかと思っている。短い期間だが、しっかり考えて投票したい」と話していました。
また、30代の主婦は、「選挙のことはこれまであまり意識してこなかったが、子育てをする身にもなったので、保育園の充実などの施策に注目して選びたい」と話していました。
また、北見市内でも衆議院の解散に対し戸惑いの声などが聞かれました。
子どもが自立したあと、市内で1人暮らしをしている75歳の女性は、「政治家は何を勝手気ままに解散をしているのか自分たちの事しか考えていないと思う。選挙に行かなければ文句も言えないから投票に行くだけです」と話していました。
41歳の会社員の男性は「都市など一部で景気が良くなっている話を聞くが地方で景気が良くなっていると感じることは少ない。選挙まで時間もないがこれから各政党の話を聞いて投票先を決めたい」と話していました。
ことし20歳になり初めての選挙を迎える大学生は「年末の忙しいときなのでタイミング的にはあまり良くないが世の中が良くなるためなら選挙も仕方がないと思う。
しっかり成人の自覚を持って投票したい」と話していました。
また、十勝の上士幌町でおよそ280頭の乳牛を飼育する酪農家の高木和也さんは「景気の良さが感じられない中でこうして日々の農作業をしていても、今回の解散が国民の支持を本当に得られるのかと思ってしまう」と感想を話しました。
そのうえで高木さんは「TPP=環太平洋パートナーシップ協定の交渉の行方がはっきりしないと、酪農家は先の見えない不安で未来に向かって夢をもてない状態になっている。今回の選挙では各候補にTPPについてしっかり論議してもらい、それぞれの政策として発信するよう求めたい」と話しました。
道内有数のコメどころ、旭川市の農家からはコメの値下がりや円安によるコスト上昇への対策の遅れを懸念する声が聞かれました。
旭川市永山町のコメ農家、岡田洋二さん(57歳)は2人の息子と一緒に17ヘクタールの水田で、北海道産のブランド米の「ゆめぴりか」や「ななつぼし」などを栽培しています。
岡田さんは21日、テレビの中継で衆議院が解散された様子を険しい表情で見守っていました。
岡田さんは「解散する大義がよくわからない。円安の影響で肥料などのコストが上昇する一方で、コメの価格が値下がりし、農家経営は大変厳しくなっている。早急に対策が求められる中、総選挙によって国政の議論が中断してしまうのが心配だ。腰を据えて農業ができるよう、総選挙では長期的な視野で農業政策を考えてくれる候補者を見極めたい」と話していました。
水産業が基幹産業となっている釧路市で、たこ漁などをおよそ30年行っている59歳の漁業者の男性は、「年末のこの時期に解散することは理解できない」と話しました。
そのうえで、新しい政権に期待することとして「漁業を通じても景気の回復はまだ感じられないので、景気を回復してもらえるよう期待したい」と話していました。
一方、中小企業が多い室蘭市では、工場経営者から「地域でものづくりを続けていくうえでも担い手の確保が必要だ。新しい政権には人口対策に取り組んでほしい」という声が聞かれました。
鉄鋼や造船で栄えた室蘭市は、主力産業の衰退を背景に先月末で人口が9万人を割り込んで、ピーク時の半分近くまで減るなど厳しい経済状況が続いています。
市内で昭和46年から産業機械の部品の製造などを行っている工場の西野義人社長は、今回の解散・総選挙について「年末の忙しい中での選挙で大変だなと感じている。
ただ、2年間の経済政策を問うという意味では選挙を行うことには賛成だ」と話しています。
西野社長は、地域の若手経営者などを集めた勉強会を開くなど人材育成に力を入れていて、選挙後の政権には「今後もこの地域でメードイン室蘭にこだわってものづくりを続けていくためにも、働き手の確保が必要だ。町があっての地域経済なので選挙後の新しい政権は時間をかけてもいいので人口対策に取り組んでほしい」と話していました。
また、函館の観光業者からは「なぜこのタイミングなのか」、「地方経済の現状をよく見てほしい」といった声が聞かれました。
このうち、函館市の観光名所の1つ、赤レンガ倉庫では消費税の増税後、国内の観光客を中心に売り上げが減少傾向にあるということです。
クリスマス商戦真っただ中の選挙に管理・運営会社の柳谷一美営業部長は「なぜこのタイミングなのか、というのが正直なところです。
地域で働く人の賃金が上がらないとレジャーの消費は増えないので金融政策だけではなく実体経済への政策に与野党ともに取り組んでもらいたい」と話していました。
また、函館朝市協同組合連合会の井上敏廣理事長は「消費税が上がって日本人観光客が減っていて利益は上がらず大変苦労しています。
景気対策は地方まで届いていないと感じるので、現状をもっと見てほしい」と話していました。