女児衰弱死:腸に玉ねぎの皮やアルミ箔

毎日新聞 2014年11月20日 21時59分(最終更新 11月20日 22時18分)

 3歳の長女に十分な食事を与えず衰弱死させた事件は、司法解剖の結果、紗弥音ちゃんの腸内には玉ねぎの皮、アルミ箔(はく)、ろうそくのろうが残っていた。胃は空っぽで骨が浮き上がっていたという。大阪府警は紗弥音ちゃんが空腹に耐えかねて口に入れた可能性が高いとみている。

 異変は付近の住民らも感じていたという。府警によると、昨年秋ごろ、紗弥音ちゃんが自宅アパートのベランダの手すりに、手首を粘着テープでくくりつけられているのを目撃されていた。

 今年2月には、薄手の長袖シャツ1枚を着た紗弥音ちゃんが裸足でアパートの外を歩いていた。他にも、泣き叫ぶ声を聞いていた住民がいたという。

 同じアパートの40代の住人女性によると、昨年末の夕方、紗弥音ちゃんが自宅の前で「お母さんどこ?」と大声で泣き叫んでいた。この時も裸足だった。声を掛けたが、紗弥音ちゃんは無言でうつむくだけだったという。

 紗弥音ちゃんの異変について児童相談所や警察に通報した住民はいなかったとみられる。女性は取材に「もちろん気にはなっていたが、通報したら仕返しされると思って怖かった」と悔やんだ。

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