衆院が解散、来月14日選挙へ各党始動-アベノミクスの継続争点に (3)
11月21日(ブルームバーグ):衆議院は21日午後、解散した。政府は臨時閣議で、衆院選を12月2日公示・14日投開票の日程で行うと決定。各党は事実上の選挙戦に入った。安倍晋三首相が進めてきた経済政策「アベノミクス」を継続するかどうかなどが争点となる。
安倍首相は21日夕方の記者会見で、衆院選について「この解散はアベノミクス解散だ。前に進めるのか、それとも止めてしまうのか、それを問う選挙だ」と指摘。自らの政策によって「行き過ぎた円高が是正された」と語った。民主党の海江田万里代表は党会合で、「アベノミクスによって格差が拡大した。自民党の経済政策に対峙(たいじ)していく必要がある」と語った。
2015年10月から予定していた消費税率の10%への増税の1年半延期を表明した首相だが、今後も原子力発電所の再稼動、集団的自衛権行使を可能にするための法整備などの政策課題が山積している。衆院選で安定した政権基盤を引き続き確保し、こうした懸案も処理すれば、来年秋の自民党総裁選での再選も視野に入ってくる。
明治学院大学の川上和久教授は、「景気の回復を実感していないと人々は言っているけれども、あの円高がある程度解消されて株価が回復したというのは1つの実績。有権者にはそれなりに頑張ったという評価はあると思う」と指摘した。
安倍内閣は21日午前の閣議で衆院解散を決定。午後の衆院本会議で伊吹文明議長が解散詔書を読み上げた。
絶対安定多数衆院選は12年12月以来、約2年ぶり。解散時の衆院定数480議席のうち、自民は議長も含め295、公明は31で与党で3分の2以上の計326議席を確保していた。今回の選挙では定数の「0増5減」が適用され、定数は小選挙区295、比例代表180の計475となる。
安倍首相は18日の記者会見で、衆院選の勝敗ラインに関連し、自公両党で過半数を確保できなければ退陣すると表明した。共同通信によると、自民、公明の幹事長は翌19日の会合で、全常任委員会で委員長を独占し、委員の過半数を獲得できる「絶対安定多数」の266議席超の「270程度」を目標に設定した。
大義名分首相は18日の記者会見で、消費増税延期という「国民生活にとって、そして、国民経済にとって重い重い決断をする以上、速やかに国民に信を問うべきである」と解散を宣言した。
共同通信が20日に配信した世論調査によると、安倍首相の解散表明を「理解できない」との回答が63.1%となり、「理解できる」の30.5%を大きく上回った。一方で、比例代表の投票先政党は、自民党が25.3%、民主党が9.4%。
民主党の枝野幸男幹事長は21日、NHKに出演し、「大義のなき解散だ」と指摘した上で、アベノミクスの経済への影響について「株は上がっても家計、国民生活はむしろ苦しくなっている」と語った。海江田代表は20日の街頭演説で、集団的自衛権の行使容認や議員定数削減も争点にする考えを示した。
民主、維新の両党は21日、ヘイトスピーチ規制法や領域警備法の制定など5項目の「共に実現を目指す共通の政策」を発表した。
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更新日時: 2014/11/21 19:14 JST