地域振興

農業と観光で実現するほど甘くない
地域経済の活性化地方創生に向けての処方箋を考える

2014.11.21(金)  雑賀 憲彦

観光サービスの強化で雇用が増えるか

10月に本学(名城大学)キャンパスで街づくりの公開講座を開催し、パネルディスカッションを行った。その際にパネラーとして出席した私は、講演者の1人である地方都市の市長に次のような質問をした。

 「現在、政府は地方活性化のために地方創生担当大臣に数兆円と言われるほどの予算を予定しているらしいのですが、地方に多くの活性化資金、創生資金が配分されるとすれば、どのような有効活用策をお考えですか・・・」

 するとその市長は、「地方創生(ソウセイ)と言われますが、ドウセイというのでしょうかね~」と冗談とも本気とも分からないような回答であった。地方都市の市長にすれば、国の方針に翻弄されるばかりで、活性化策はそう簡単ではないもしれない。

 そこで、担当大臣である石破氏の方針をマスコミ等から伺うと、観光サービスの強化という点と農業の活性化が鍵であるという。

 地方には観光資源が豊富にあって観光サービスは現在よりも業績拡大の可能性は高いであろう。中国経済が発展し中国人が大挙して日本に海外旅行に来て、観光客は増加している。しかし、問題は観光業で多くの雇用が生まれるかどうかという点である。観光業というサービス業が地方で何とか成り立つことは想像に難くないが、雇用が増大するところまで成長するかどうかは疑問である。果たして観光のどういう分野の成長が考えられるのであろうか。

 まず観光客が増えれば、土産品の売上が増大するであろう。そうすれば土産売場を拡大させることができ、販売員を多少増やすことは考えられる。販売量が増えればその土産品の生産量を増やさなければならない。しかし、これらの土産品の製造販売は大量生産するほどの量ではないだろう。したがって現状の家内手工業的な規模を工場制機械工場に拡大できるまでにはいかないのではないか。とすれば雇用拡大もそれほど期待できない。また観光バス会社の運転手とガイドの増加が考えられる。これも企業ごとに数人から数十人の増加しか期待できないのではないだろか。

 次に農業の活性化も重要なことではある。しかし残念な…
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