1票の格差:選挙差し止め求め提訴…弁護士グループ

毎日新聞 2014年11月18日 21時11分(最終更新 11月19日 00時27分)

 安倍晋三首相の解散表明で実施される衆院選について、国政選挙の「1票の格差」の是正を求める弁護士グループが18日、選挙の実施の差し止めを求める訴訟を東京地裁に起こした。人口に比例した議員定数を配分する法案提出の義務づけも併せて国に求めた。最高裁が2009年と12年の衆院選を「違憲状態」と判断した後も選挙制度の抜本改革はなされず、「違憲状態のままの選挙が実施される前にストップさせたい」としている。

 訴えたのは山口邦明弁護士らのグループ。天皇が国事行為として総選挙を公示するために必要な「内閣の助言と承認」が最初の手続きとして、この差し止めを求めた。

 前回衆院選では同趣旨の訴訟を起こして敗訴したが、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見した山口弁護士は「(前回選挙後に行われた)定数の0増5減では、最高裁が指摘した『違憲状態』は解消されない。格差是正が不十分なまま選挙が実施されるのは不当だ」と主張した。

 最高裁大法廷は11年3月、1票の格差が最大で2.30倍だった09年の衆院選を「違憲状態」と判断。議席をまず47都道府県に1ずつ割り振ってから残りを人口比で配分する「1人別枠方式」の廃止を求めた。だが実現しないまま12年の選挙が実施され、大法廷は13年11月、再び「違憲状態」と判断した。この間、小選挙区定数の「0増5減」は実現したものの、1人別枠方式による選挙区割りは維持されている。【川名壮志】

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