安倍首相:補正予算指示…低所得者対策が柱

毎日新聞 2014年11月18日 21時48分(最終更新 11月18日 21時57分)

経済財政諮問会議の終わりに安倍晋三首相(左端)のあいさつを聞く黒田東彦日銀総裁(右端)ら=首相官邸で2014年11月18日午後6時34分、藤井太郎撮影
経済財政諮問会議の終わりに安倍晋三首相(左端)のあいさつを聞く黒田東彦日銀総裁(右端)ら=首相官邸で2014年11月18日午後6時34分、藤井太郎撮影

 安倍晋三首相は18日に開かれた経済財政諮問会議で、「経済の好循環を確かにするため、中小企業や地方に目配りすることに重点を置き、必要な対応についての準備を早急に進めたい」と述べ、景気を下支えする経済対策を盛り込んだ2014年度補正予算の編成を関係閣僚に指示した。低所得者向けの現金給付や地方自治体による地域商品券の発行支援、円安に苦しむ中小企業対策などが経済対策の中心となる。規模は2兆〜3兆円を軸に調整する。

 17日発表の7〜9月期の実質国内総生産(GDP)速報値は、年率換算で前期比1.6%減と2四半期連続のマイナス成長を記録した。政府は10月の月例経済報告で景気判断を2カ月連続で下方修正するなど、その後も消費低迷が続いている。

 首相は15年10月に予定していた消費再増税を1年半先送りしたが、景気下支えのためには補正予算の編成も必要と判断した。12月14日投開票の衆院選で与党が勝利すれば、早期に内容を決定したい考えだ。

 具体的には、消費増税と円安に伴う物価上昇などで実質所得が目減りしている家計への支援が柱。低所得者向けのガソリン・灯油購入費の助成や地域商品券の発行支援、住宅購入促進策などを検討している。また、中小企業・事業者向けでは、漁船の燃料購入費補助や省エネ機器の購入支援、公的金融を活用した低利融資など資金繰り支援策も行う。

 5.5兆円の経済対策を盛り込んだ13年度補正予算は公共事業が中心だったが、今回は災害対策に限定する考え。財源は好調な企業業績を受けた税収の上ぶれなどを活用し、国債の追加発行は避ける方針だ。【小倉祥徳】

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