政労使会議:首相、賃上げを要請 経団連「最大限努力」

毎日新聞 2014年11月19日 12時14分(最終更新 11月19日 14時40分)

経済の好循環実現に向けた政労使会議であいさつする安倍晋三首相(左)=首相官邸で2014年11月19日、丸山博撮影
経済の好循環実現に向けた政労使会議であいさつする安倍晋三首相(左)=首相官邸で2014年11月19日、丸山博撮影

 政府は19日午前、経済界、労働界の代表らとの政労使会議を首相官邸で開いた。安倍晋三首相は「労働需要が回復傾向になった今こそ、賃金を引き上げる環境を作るチャンスだ。労使双方の一致協力による取り組みを期待する」と述べ、昨年に引き続き、経済界に賃上げを要請した。

 会議終了後、経団連の榊原定征会長は「来年春の賃上げは必要だと認識している。経済界としては収益の拡大をはかり賃上げに結びつける努力を最大限したい」と記者団に語り、賃上げに前向きな考えを示した。一方、連合の古賀伸明会長は「政府の要請や世の中の雰囲気で賃金や労働条件が簡単に引き上げられるとは思っていない」と政府主導の賃上げをけん制した。

 首相は18日の記者会見で、消費税率の10%への引き上げを1年半先送りすることを表明。増税の環境を整備するため「来年、再来年、その翌年と賃金が確実に上がる状況を作っていく」と説明していた。19日の政労使会議でも「賃金が上がる展望を示せれば、好循環の2巡目は大きく前進する」と述べた。

 政府は昨年の政労使会議で賃上げを要請し、今年の春闘でのベースアップ(ベア)やボーナス増を後押しした。しかし、今年4月の消費増税や物価上昇に賃上げが追いつかず、個人消費は低迷している。【念佛明奈】

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