衆院選:本当に出るの? 大阪市長も知事も? 戸惑う市民
毎日新聞 2014年11月20日 01時46分(最終更新 11月20日 08時03分)
本当に出るの? 市長も知事も?−−大阪都構想を巡る対立の果てに、維新の党共同代表の橋下徹大阪市長は「公明の議席を奪うしかない」と、今回の衆院選への出馬を検討していることを明らかにした。維新幹事長の松井一郎大阪府知事も同調、2人は公明現職のいる大阪3区と16区に出馬する公算が大きくなっている。選挙の構図が突然大きく変わる両選挙区の有権者からは「選択肢が増える」と歓迎の声が上がる一方、「なぜここで」と戸惑いの声も多く聞かれる。【藤顕一郎、山口朋辰】
公明現職に、前回も出馬した共産新人が挑む構図が予想されていた大阪3区。公明候補は1996年の小選挙区比例代表並立制導入以来、2009年の衆院選以外は全勝している「牙城」の一つ。「市長出馬か」の情報に、公明支援者らは注目している。公明候補を支援する商店主(60)=大阪市西成区=は「歴史的にうちは西成では強いんや」と胸を張るが、「市長の顔と名前は売れとる。一生懸命やらんと勝たれへん」と気を引き締める。
西成区の紳士服店主(76)は、「公明、民主、共産ばっかりだったから選択肢が増えるのは歓迎したい。(橋下市長は)『西成を変えたい』とずっと言ってくれてる。高齢者ばっかりの街を元気にしてくれそうだ」と期待する。一方、大正区のたばこ店主(80)は「『公明党は許さない』とか威勢よく言っているが、僕らには子どものけんかみたいに見える。大阪のために頑張ってきたと思うが……」とがっかりした様子で話した。
松井知事が出馬を検討している大阪16区。有権者からは期待の声もあるが、「都構想の実現」を理由にした出馬には懐疑的な声も。堺市北区の主婦(37)は「都構想のために首長を辞めるという理屈が理解できない」とする一方で、「与党に対抗できると言う意味で橋下さんには期待している。ただ維新の党も最近、何がしたいのかよく分からない。どうすべきか迷う」と戸惑う胸の内を明かした。北区の飲食業の男性(47)は松井氏の出馬検討には「どんな理由であれ、挑戦は自由」と理解を示すとともに、「単なる府政・市政の投げ出しか、それを上回る可能性が見いだせるのか見極めたい」と話した。