衆院解散:1年生議員の嘆き…「2年短すぎた」

毎日新聞 2014年11月21日 13時20分(最終更新 11月21日 14時08分)

衆院本会議に向かう小渕優子前経済産業相=国会内で2014年11月21日午後0時56分、小関勉撮影
衆院本会議に向かう小渕優子前経済産業相=国会内で2014年11月21日午後0時56分、小関勉撮影

 前回の総選挙からわずか2年。衆院は21日午後の本会議で解散した。「腰を据えて取り組めなかった」「やり残した仕事はたくさんある」。任期半ばで再び有権者の審判を受ける1年生議員たちも、戻ってくることを誓い、地元へ散る。12月14日に予定される投開票日まで3週間余り。短期決戦が本格的にスタートした。【鈴木泰広、横田香奈、福富智】

 首相の解散表明から3日。まだ真新しいバッジをつけた当選1回の1年生議員185人の中には、地元を回ってこの日朝、東京に戻った人もいた。「政治とカネ」で経済産業相を辞任した10月20日以降、約1カ月にわたり公の場に姿を見せていなかった小渕優子氏(40)も議場に入った。午後1時10分過ぎ、伊吹文明議長が解散詔書を読み上げている途中で議場の一部からバンザイの声が起き、議長がぶぜんとした表情で中断する一幕も。その後、詔書を読み終え、改めてバンザイの声が上がった。

 28日付で解党するみんなの党の三谷英弘氏(38)は「改正国民投票法の法案提出などに関わり、全力を出し切った」と話す。前回は東京5区で落選したが「第三極」の風を受け、比例東京ブロックの最後の議席に滑り込んだ。解党には渡辺喜美前代表とともに反対した。どのような政党から立つかは「白紙」だが「有権者に必要とされていれば選んでもらえる」と語った。

 最年少国会議員の新党大地、鈴木貴子氏(28)=比例北海道。小沢一郎・生活の党代表の資金管理団体を巡る政治資金規正法違反事件で、新党大地の所属議員だった元秘書の石川知裕氏(41)が辞職したため、昨年6月に繰り上げ当選した。その後の1年半に法務委員会で12回質問に立ち「存在感は示せた」。若い世代への発信を強く意識し「国民不在の血税無駄遣い解散。安倍晋三首相と与党の政治姿勢を問いたい」という。

 党の指示でいったん地元入りした民主党唯一の1年生衆院議員、寺島義幸氏(61)=長野3区=は、前夜遅く東京に戻った。22年間務めた長野県議から「地域の声を国政につなげたい」との思いで転身した。「2年は短すぎたが、雪害対策や農政改革で成果を出せた」と自負しているといい「増税先送りでの解散は意味が分からない。無責任な安倍政権に物申す選挙だ」と話した。

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