自衛官募集:「一般曹候補生」応募者、昨年度の1割減

毎日新聞 2014年11月19日 20時54分

 中堅自衛官を養成する「一般曹候補生」の今年度の応募者数が、昨年度に比べ約1割減っていたことが分かった。海上・航空自衛隊のパイロットになる「航空学生」や防衛大学校への応募者数も減少した。防衛省は「景気回復で民間雇用が増えたため」と説明。政府が集団的自衛権の行使容認を閣議決定した影響は否定している。

 「一般曹候補生」で募集するのは、幹部自衛官を補佐する曹(下士官)クラスで、自衛官全体の約6割を占める。試験で幹部自衛官にもなれ、応募資格は18〜26歳の男女。昨年度は3万4534人が応募し、3784人を採用した。一方、今年度は3万1101人が応募。昨年度より約10%少なかった。

 また、高校卒業見込みの若者を対象とする「航空学生」の応募は今年度3856人で、昨年度の4030人から約5%減。幹部自衛官を養成する防衛大学校の志願者は1万6470人で前年度より25人減。さらに、最下級の「2士」で女子の応募者も4009人で、268人減った。

 募集はいずれも、集団的自衛権の行使を容認する閣議決定(7月1日)以降に開始。海外での武力行使が現実味を帯びてきた影響も考えられるが、同省人材育成課は「過去の傾向を見ると、景気や雇用動向と強い相関関係がある」と主張している。【斎藤良太】

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