敦賀原発:2号機再稼働は極めて困難に 「活断層」再認定

毎日新聞 2014年11月19日 21時27分(最終更新 11月19日 23時24分)

敦賀原発2号機を巡り今後予想される流れ
敦賀原発2号機を巡り今後予想される流れ

 ◇日本原電、経営が窮地に追い込まれる可能性も

 原子力規制委員会の有識者会合が19日、日本原子力発電敦賀原発2号機(福井県敦賀市)の直下を走る断層を「活断層」と改めて認定したことで、敦賀2号機の再稼働は極めて難しい状況となった。日本原電はあくまで再稼働を目指す構えだが、主力原発の再稼働の見通しが立たなければ、会社の存在自体が問われかねない。また、電力大手が、電力購入契約に基づいて日本原電に現在支払っている「基本料金」を打ち切る懸念もあり、経営が窮地に追い込まれる可能性もある。

 日本原電は、東京電力福島第1原発事故後の2011年5月から、保有する原発3基全てを停止したままだ。3基のうち唯一、東海第2原発(茨城県)は再稼働申請をしているが、福島第1原発と同じ「沸騰水型」(BWR)のため審査に時間がかかる見通し。また、1970年に運転を開始した敦賀原発1号機(福井県)の運転期間は地元自治体との約束で2016年までとされている。一方、建設計画中の敦賀3、4号機は政府が原発新増設の可否を判断しておらず、中断したままだ。

 このため、日本原電は敦賀2号機の再稼働に全力を挙げていた。しかし有識者会合で「活断層」との認定が覆されない限り、敦賀2号機の廃炉は避けられない。日本原電は、原子力規制委の今後の対応次第では行政訴訟も辞さない考えだが、断層評価を巡る争いが早期に解決できる見通しもない。

 一方、日本原電は、東京電力や関西電力など大手5社から原発の維持管理費などの名目で「基本料金」を受け取っている。13年度の基本料金は約1250億円、14年度も約1100億円を見込んでおり、現在の日本原電の経営を支えている。

 しかし、電力大手の原発停止も長期化し、東電や関電が電気料金の再値上げを検討するなか、日本原電に対する基本料金の支出に批判が高まる可能性もある。電気事業連合会の八木誠会長(関電社長)は14日の記者会見で「契約を継続する方向で検討していくのではないか」と述べ、来年度以降の基本料金の支払いに前向きな姿勢を示したが、東電は15年度以降の基本料金の支払い停止も視野に入れている。

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