パソコン遠隔操作事件で威力業務妨害罪などに問われたIT関連会社元社員、片山祐輔被告(32)の論告求刑公判が21日、東京地裁(大野勝則裁判長)であり、検察側は「我が国のサイバー犯罪史上まれにみる卑劣で悪質かつ重大な犯罪」として懲役10年を求刑した。
27日に弁護側が最終弁論を行い結審、判決は年明けにも言い渡される見通し。
検察側は論告で「見ず知らずの第三者を犯人に仕立てることを目的とした巧妙な犯行」と指摘。事件への関与が疑われた4人が誤認逮捕されたことについて「過去にも他人を罪に陥れることを目的とした事件はなく、刑事司法制度への国民の信頼を揺るがしかねない」と非難した。
動機について「自己中心的で身勝手な欲望を満たすためだった」と説明。片山被告が過去にもインターネットの掲示板に殺害予告を書き込むなどして実刑判決を受けていることから「常習性が顕著で、更生には長期間の徹底した矯正教育が必要だ」と強調した。
片山被告は捜査段階から公判途中まで否認していたが、保釈後の5月に「真犯人」を名乗る自作自演メールが発覚すると、一転して起訴内容を全て認めた。検察側は「自白がなくても客観証拠の間接事実で犯人性は立証できた」と主張した。
片山被告は2012年6~9月、他人のPCを遠隔操作ウイルスに感染させて幼稚園の襲撃予告をしたなどとして、同罪などで起訴された。
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