今年の日米野球は3勝2敗で日本代表が24年ぶりに勝ち越したが、手放しで喜べない。テレビ視聴率が5試合とも1ケタの惨敗だった。
観客動員では健闘した。京セラドームの第1戦が3万3003人。東京ドームでの第2−4戦は4万2277人、4万6084人、4万3705人。札幌ドームでの最終戦も3万0159人。悪い数字ではない。
だが、テレビ視聴率は全試合1ケタに終わった。ビデオリサーチの調べ(関東地区)によると、第1戦=日本テレビ系列8・7%、第2戦=同7・3%。楽天・則本以下4投手でノーヒットノーランを記録した第3戦でも同9%で2ケタに届かなかった。
第4戦=テレビ朝日系列6・5%、第5戦=TBS系列第1部6・7%、第2部6・4%。日米野球本番の前に行われた2試合でも同様。10日の侍ジャパン対ソフトバンク・日本ハム連合の壮行試合がフジテレビ系列で第1部4・1%、第2部8・3%。11日の甲子園での阪神・巨人連合対大リーグオールスターは、日本テレビ系列7・2%だった。
特にサッカー日本代表の試合とぶつかった2試合で苦戦。第2戦が行われた14日の日本代表対ホンジュラス戦がテレビ朝日系列15・5%。第5戦と競合した18日の日本代表対豪州戦はフジテレビ系列13・6%。その差は歴然としている。
侍ジャパンの事業会社として立ち上げられた「NPBエンタープライズ」は、2017年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)第4回大会までに40億円の収益を目標にしているが、旗揚げ興行の日米野球で1ケタ視聴率では、前途多難といえる。 (江尻良文)