3・11で想定外の巨大地震に見舞われ、初めて大規模な原発事故に襲われた日本。自然が引き起こす巨大災害の教訓を活かしたはずの、新しい原発の安全審査に、火山学者たちが続々と異議を唱えている。
川内原発は大丈夫なのか
「あきれはてて言葉もない。こんなに重要な問題で、あんないい加減な審査基準を打ち出して、したり顔しているとは。今回のことで私は、日本政府や電力業界に、原発の運転を任せられるような科学的な発想は皆無なんだと確信した」
九州は博多駅から電車を乗り継いで30分強、福岡大学のキャンパスで11月2日から4日まで開かれていた、日本火山学会の秋季大会に参加したある火山学者は、こうぶちまけた。
元来、火山学者の多くは、一人で山に分け入って岩石を採集したり、火山に設置されたセンサーのデータを見つめる研究生活を送っている、物静かな人々だ。
ところが、そんな火山学者たちが、「ふざけるな」と〝噴火〟したのだ。
きっかけは、原子力規制委員会が、鹿児島県の川内原発についての安全審査を終え、再稼働にGOサインを出したことだった。
〈設計対応できないような火山事象が川内原子力発電所に影響を及ぼす可能性は十分小さい〉
これが安全審査の結論だった。原発が耐えられないような火山の噴火は考えなくてよい—。このニュースを聞いて、多くの火山学者が仰天した。
九州は、全国でも活発に活動する火山が多い地域だ。
たとえば、鹿児島県の桜島は日々、噴煙をあげているうえ、同地で観測を続ける京都大学火山活動研究センターの井口正人教授は以前から、
「大正に起きた巨大噴火の直前のレベルまで地下のマグマが溜まりつつある」
と警告しつづけている。
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