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ボーカロイドと文楽が共演 短編映画「葵上」22日から上映

文楽人形、ボーカロイド、CGが融合した映画「ボーカロイドオペラ葵上with文楽人形」の一場面

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 近年、少女キャラクター「初音ミク」などで人気のボーカロイド(歌声合成技術)と、文楽人形が共演した短編映画「ボーカロイドオペラ葵上(あおいのうえ)with文楽人形」が、二十二日から十二月五日まで、名古屋市中村区のシネマスコーレで上映される。東京で満席が相次いだ話題作で、名古屋は全国二カ所目の劇場公開。来年は関西でも上映予定で、注目が集まっている。

 昨年六月、静岡県で開かれたボーカロイドのイベントで、文楽協会(大阪市)の人形遣い吉田幸助さん(48)が初音ミクの曲に合わせ、文楽人形の舞を披露したのが企画のきっかけ。イベントに参加し「ボーカロイドで能やオペラをやりたい」と曲と脚本を作った作曲家田廻(たまわり)弘志さん(42)=横浜市=が動いて実現した。

 源氏物語の「葵」に登場する葵上、光源氏、六条御息所(ろくじょうのみやすどころ)にあたる男女三人が織りなす現代劇。せりふや物語の背景を語る文楽での「太夫」役をボーカロイドが担う。人形は文楽協会が提供し、協会の人形遣いが操った。

 ちりめんの衣装を着た由緒ある人形を使いながらも、背景はコンピューターグラフィックス(CG)。小道具でスマートフォンが登場するなど、古今の文化と技術が巧みに融合した作品となっている。

 初音ミクが共演するオペラや交響楽団の演奏会が国内外で催されるなど、ボーカロイドの活躍の場が広がっている。田廻さんは「表現に未知の可能性を秘めているのがボーカロイドの魅力。最終的に文楽人形を使った短編で三部作にしたい」と話している。

 (高木梨恵)

 <ボーカロイド> ヤマハが開発した歌声合成技術、またその技術を応用したソフト。音符と歌詞を入力するだけで歌声を作れる。ボーカロイドを使って作られた「初音ミク」を中心に人気が広がり、インターネット動画サイトなどに、ボーカロイドを使った音楽や動画を載せる人たちが増えている。

 

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