コラム

モーニング娘。を大きな愛で育てた人、道重さゆみ

2014年11月21日 07時00分

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 「あと6日間、よろしくお願いします!」と、昨日の浜松でコンサートで彼女の口から聞いて、じわじわ実感がわいてきた。モーニング娘。6期メンバーで8代目リーダーの道重さゆみが、11月26日に横浜アリーナで卒業する。グループ史上最長の在籍日数で、12年ものあいだモーニング娘。を支えてきた。

モーニング娘.'14『TIKI BUN/シャバダバ ドゥー/見返り美人』

 道重と言えば、その発言が注目されることが多い。彼女の言葉の力は本当に強い。心をすり減らしながらグループを知ってもらうために、と出演したバラエティや、トーク力を培ったラジオなど、彼女がここまで来るのには、話すということが大きな意味を持っていた。注目されたのは毒舌やナルシストな発言だったが、何よりもまっすぐに想いを表現することが彼女の素晴らしさだと思う。

 彼女はファンへの感謝、メンバーへの叱咤激励、家族への愛、そして自分が考えていることを、包み隠さず話す。そこまで話す必要はないのに、と思うくらいにストレートに、彼女らしい言葉で、わたしたちに伝えてくれる。それはときに厳しく聞こえることもあるけれど、根底には深い愛がある。愛があるからこその、毒舌やわがままだ。だから、それを言ってもらえることは、ファンとして光栄なことでもある。

 彼女の言葉で印象的なのが、ラジオ『モーニング娘。道重さゆみの今夜も♥うさちゃんピース』で話していた、「この”さゆみ”と一生付き合っていかないといけない」という発言。当たり前のことだけど、とても残酷なことでもある。自分は自分でしかなくて、他人のようには生きられない。他人が簡単にできることも、自分には難しい。それを受け入れるのには、覚悟がいる。自信家でナルシストに見られることもあるけれど、そうやって彼女は自分と向き合い、努力し、少しずつ前へ進んできたのだ。

 アイドルとして、ファンが見たい最高のものを見せてくれるけど、キレイゴトは言わない。目指すところは高いけど、現実をしっかり受け止めている。彼女の魅力は飾らず、人間くさいところだと思う。

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