2014.11.17 裁判に配慮して個人情報を含むリンクを削除しました。
既に原告は印刷して保存していあるでしょうが。
環境省告示 廃棄物妥当性判断について
行政処分の指針について(通知)
環廃産第1303299号
平成25年3月29日
上記告示の廃棄物該当性の判断の部分を抜き出して、グリーンサンドがどうなのか、メーカーのホームページととブログやツイッター等を元に、私の考えをまとめてみた。
グリーンサンド説明ホームページ
フェロニッケル / グリーン・サンド
ブログ
宮崎県日向市 産業廃棄物のゴミの山が目の前で非常に困ってます
togetterまとめ
宮崎県の廃棄物と思われる物の処分による被害について、一人で訴え続けている女性がいます
日向市の産廃問題はなぜ解決しないのか
宮崎県日向市で産廃汚染を訴えていた主婦が訴えられました
廃棄物該当性の判断基準
ア 物の性状
利用用途に要求される品質を満足し、 かつ飛散、流出、 悪臭の発生等の生活環境の保全上の支障が発生するおそれのないものであること。実際の判断に当たっては、 生活環境の保全に係る関連基準 (例えば土壌の汚染に係る環境基準等)を満足すること、その性状についてJIS規格等の一般に認められている客観的な基準が存在する場合は、 これに適合していること、十分な品質管理がなされていること等の確認が必要であること。
私の考え
メーカーのホームページでは、「環境庁告示46号(土壌の汚染に係る環境基準について)及び環境庁告示13号(産業廃棄物に含まれる金属等の検定方法)で溶出試験を実施した結果、重金属等有害物質の溶出は定量下限未満」とあるが、グリーンサンドを積んでいる土地の沈殿池水質検査で【鉛210倍ヒ素50倍フッ素20倍総水銀15倍検出】されている。また、粉塵が飛散して子供の咳が止まらないと訴えている。
以上の理由により、生活環境の保全上の支障が発生するおそれがないとは言えない。
廃棄物妥当性の判断基準
イ 排出の状況
排出が需要に沿った計画的なものであり、 排出前や排出時に適切な保管や品質管理がなされていること。
私の考え
鉄鋼スラグは、鉄鋼スラグ協会がありガイドラインを定めて品質管理をしている。会員会社が公開されているが、日向製錬所および親会社の住友金属鉱山の社名はない。非鉄スラグ協会の存在についてネットで検索したがわからなかった。
鉄鋼スラグ協会は、加盟している大同特殊鋼の渋川工場が生産した鉄鋼スラグ製品から有害物質が検出されたことから鉄鋼スラグ協会では緊急点検を実施しガイドラインの見直しを行っている(第1回開催平成26年10月3日)
グリーンサンドは品質管理情報が公開されていないので、適切な保管や品質管理がなされているかわからない。また、グリーンサンドはフェロニッケルを生産する際に一定割合で発生するものであり、需要に沿った計画的な排出とは言えない(グリーンサンド製造工程)。
以上の理由により、排出の状況が基準を満たしているとは言えない。
廃棄物妥当性の判断基準
ウ 通常の取扱い形態
製品としての市場が形成されており、 廃棄物として処理されている事例が通常は認められないこと。
私の考え
グリーンサンドが製品として市場が形成されているかどうか知らないが、中国経済産業局が作成した鉄鋼スラグに関する現状把握(2-10ページ)によると、フェロニッケルスラグ(グリーンサンド)は廃棄物処理法の廃棄物とある。
廃棄物妥当性の判断基準
エ 取引価値の有無
占有者と取引の相手方の間で有償譲渡がなされており、 なおかつ客観的に見て当該取引に経済的合理性があること。 実際の判断に当たっては、 名目を問わず処理料金に相当する金品の受領がないこと、 当該譲渡価格が競合する製品や運送費等の諸経費を勘案しても双方にとって営利活動として合理的な額であること、 当該有償譲渡の相手方以外の者に対する有償譲渡の実績があること等の確認が必要であること。
私の考え
ブログやツイッターまとめから、グリーンサンドを積んでいる土地の地権者は「買っていない。運搬会社から埋めさせてくれと言われたから埋めさせてやっている」という話を聞いている。
以上の理由により、有償譲渡がなされており、 なおかつ客観的に見て当該取引に経済的合理性があるとは言えない。
廃棄物妥当性の判断基準
オ 占有者の意思
客観的要素から社会通念上合理的に認定し得る占有者の意思として、 適切に利用し若しくは他人に有償譲渡する意思が認められること、 又は放置若しくは処分の意思が認められないこと。 したがって、 単に占有者において自ら利用し、又は他人に有償で譲渡することができるものであると認識しているか否かは廃棄物に該当するか否かを判断する際の決定的な要素となるものではなく、 上記アからエまでの各種判断要素の基準に照らし、 適切な利用を行おうとする意思があるとは判断されない場合、 又は主として廃棄物の脱法的な処理を目的としたものと判断される場合には、 占有者の主張する意思の内容によらず、 廃棄物に該当するものと判断されること。
私の考え
アからエまでの各種判断要素の基準に照らし、 適切な利用を行おうとする意思があるとは考えられない
まとめ
環境省告示「行政処分の指針について」に照らして考えた結果、メーカーや宮崎県の担当者は廃棄物ではないと主張するが、私は「グリーンサンドは廃棄物」と判断します。
テーマ:廃棄物
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