【動画】御嶽山での救助活動=防衛省統合幕僚監部提供
[PR]

 登山者47人が死亡した御嶽山(おんたけさん、長野・岐阜県境、3067メートル)の噴火は4日で発生から1週間。長野県は3日、安否不明者が16人いる可能性があると発表した。4日以降も捜索を続けるが、台風18号の接近に伴って二次災害への警戒も強めている。

 長野県は、登山届や登山同伴者への聞き取り、登山口の駐車場に残された車、警察、消防に寄せられた情報から安否不明者数を公表した。人数は変わる可能性もあるという。

 3日は雨で捜索できなかったが、4日は天候が回復する見込みで、捜索を再開する方針。捜索範囲をこれまで十分に捜索できていない登山道以外に広げ、金属探知機を運び込む。二次災害に警戒して捜索を進めるという。

 気象庁によると、御嶽山の火山性微動は1日に検知できないレベルに落ち着き、噴火当日の9月27日に423回観測された火山性地震も2日に16回となったが、噴火は続いており、「今回と同規模の水蒸気噴火が今後発生する可能性がある」とする。火山噴火予知連絡会副会長の石原和弘・京都大名誉教授は「数カ月から半年は注意して見ていく必要がある」と指摘する。

 御嶽山周辺では5日朝から、伊豆諸島付近に停滞する前線の影響で雨が降る予報だ。6日には大型で非常に強い台風18号が長野県に最も近づく見込みで、大雨のおそれがある。気象庁は3日、新たに火口から南東へ約10キロの王滝村内に臨時の雨量計を設置した。

 国土交通省は3日、土石流発生の際の被害想定地図を公表。火山灰が積もった湯川、白川、濁沢川の流域で4~5キロにわたり、土石流の危険があると注意を呼びかけた。長野県木曽町は3日、大雨警報が出た時点で川沿いの25世帯82人に避難勧告を出し、王滝村は大雨注意報と同時に一部地域に避難勧告を出すことを決めた。

 一方、長野県警は3日、死者47人の発見場所を公表。山頂近くの御嶽神社や御嶽頂上山荘付近に集中していた。死因は46人が「損傷死」(外傷性ショックなど)、1人が「熱傷死」(気道熱傷)だった。

 御嶽山噴火は3日の衆院予算委員会でも審議され、安倍晋三首相は全国の火山の監視を強化し、登山者への警戒情報提供を改善する考えを示した。