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» 2014年11月21日 08時19分 UPDATE

もう何年も見ていない……「2000円札」激減、なぜか沖縄では人気 (1/5)

2000円札が発行され今年で14年が経過した。流通量は2004年8月をピークに減り、今年はついに1億枚を割り込んだ。ただ、沖縄県は例外で、ATMでも出金可能なところが多く、発行翌年から今年はほぼ3倍の450万枚前後で推移している。

[産経新聞]
産経新聞

 2千円札が発行され今年で14年が経過した。日本銀行によると、流通量は平成16(2004)年8月の5億1300万枚をピークに減り、今年はついに1億枚を割り込み9千万枚台に落ち込んでいる。まち中で見かけることはあまりない。原因は現金自動預払機(ATM)からの出金ができず、自販機で利用できないなど、使い勝手の悪さにあるとみられ、専門家は「紙幣として体をなしていない」と発行した国の見通しの甘さを指摘する。ただ、沖縄県は例外で、ATMでも出金可能なところが多く、発行翌年13年4月の157万1千枚から今年はほぼ3倍の450万枚前後で推移。県人口は日本の1%あまりだが、2千円札の流通では5%近くに達している。(張英壽)

「何年も見てない」…もらえないけど使える…違和感

 「2千円札ですか。何年も見ていないですね。(人がいる)お店じゃないと使えないので不便。自販機はだめ。2千円札はないほうがいいんじゃないですか」

画像 流通量が激減している2千円札。沖縄の守礼門が描かれている

 大阪・ミナミで2千円札について尋ねると、大阪市住吉区の女性会社員(38)はこう話してくれた。ほかの人も何年も見ていないと答えた。「釣りでもらったら千円札に代えてもらう」という声もあった。

 全国でコンビニを展開するローソンによると、かつて店内のATMで出金も入金もできたが、18年から21年にかけ機種変更したのに伴い、ほとんどの店舗で入金はできるものの出金ができなくなった。機種変更前は出金した場合、自動的に2千円札が入っていたが、ATMで扱うのは1万円札と千円札になっている。

 ローソンの広報担当者は「ATMの保守管理の面もあり、紙幣の種類を少なくしたほうが効率的」と説明する。

 銀行ではどうか。三菱東京UFJ銀行でもATMは全台が2千円で入金できるが、出金されるのは1万円札と千円札のみという。

 大手金融機関など国内ATMの2分の1の稼働状況を監視している「日本ATM」(東京都港区)によると、2千円札はATMの多くで入金は対応できるものの、出金はできないという。

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