京都・青酸化合物夫殺害 警察、毒物の入手経路の特定急ぐ
フジテレビ系(FNN) 11月20日(木)0時20分配信
67歳の女が、夫に青酸化合物を飲ませて殺害した疑いで逮捕された。この女をめぐっては、ほかにも、夫や交際相手など4人が死亡している。2014年3月、およそ2時間にわたり、疑惑を否定し続けた筧 千佐子容疑者(67)。
筧容疑者は「わたしの運命を逆に『なんでやねん』って、恨みたくなりますね。殺人事件と言われるなんて、もうほんまに、それするんやったら、舌かみ切って死んだ方が楽ですわ」などと話していた。
筧容疑者は、夫・勇夫さん(当時75)に毒性の強い青酸化合物を飲ませ、殺害した疑いで、19日に逮捕された。
筧夫婦を知る人は「(夫・勇夫さんが)1人で来て、『籍を入れました』と言ってきた。その時は、ものすごく元気だったので、なぜ急にと思ったけど...」と話した。
事件が起きたのは、2013年12月28日、京都・向日市の自宅2階で、勇夫さんが倒れているのを千佐子容疑者が発見、自ら119番通報していた。
筧容疑者は「いつも、(夜)9時半か9時ぐらいにお風呂入る人やから、待っていたら、下りてこないから。あら、なんでやろと思って、迎えに行ったんです、2階に。そうしたら、倒れていたんです」などと話していた。
勇夫さんの血液を調べたところ、致死量を上回る青酸化合物を検出。
当時、自宅に第3者がいなかったことなどから、警察は、千佐子容疑者が青酸化合物を飲ませた疑いが強いとみて、逮捕に踏み切った。
千佐子容疑者と勇夫さんは、2013年6月に、結婚相談所で知り合い、事件のおよそ1カ月前に結婚。
勇夫さんには、数千万円の遺産があり、一部は千佐子容疑者に相続されていた。
青酸化合物とはどのようなものなのか、東京都内にある昭和大学の薬学部毒物学部門を訪ねた。
薬学部毒物学部門の沼澤 聡教授は「鍵がかかるような、こういった保管庫に収納するというふうなことで、法律で決まっています」と話した。
保管庫で厳重に管理されているという青酸化合物。
使用する際には、在庫量を記入し、その都度チェックしているという。
沼澤教授は「(購入する時は)用途を書かなければいけないとか。一般の方が、毒物として規制されているシアン化合物(青酸化合物)を手に入れるのは、極めて難しいと思います」と話した。
人体への影響について、沼澤教授は「仮にですね、この青酸カリウム、青酸ナトリウムであるとすれば、数分後には、脳の機能が低下する、心臓の機能も低下する、呼吸が止まって、心臓が止まると」と話した。
筧容疑者は「死体検案書には、『毒』って書いてましたわ。もしも、そんなことしたら、わたしが第1発見者で、『わたししかいない』となりますやん。そこまでわたし、まだ、ぼけていませんからね。(毒は入れてない?)入れてませんよ、そんなんどこで、手に入れる方法を教えてください、逆に」などと話していた。
取り調べに対し、千佐子容疑者は、「逮捕された理由はよくわかりましたが、わたしは絶対に殺していません」と、容疑を否認している。
しかし、千佐子容疑者の周辺では、勇夫さんのほかに、少なくとも4人の男性が相次いで亡くなっている。
2012年3月、貝塚市に住む当時71歳の男性が、泉佐野市の府道をバイクで走行中に転倒し、病院で死亡が確認された。
死亡した本田正徳さん(当時71)は、当初は心臓疾患による病死とされたが、血液からは青酸化合物が検出された。
本田さんは当時、千佐子容疑者と婚約中だった。
警察は今後、毒物の入手経路の特定を急ぐとともに、ほかの4人の死亡と、千佐子容疑者の関連を慎重に調べる方針。
最終更新:11月20日(木)0時20分