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青酸で夫殺害の容疑者、別男性の遺産でトラブル

読売新聞 11月20日(木)17時28分配信

 京都府向日(むこう)市(し)で昨年12月、筧(かけひ)勇夫さん(当時75歳)が青酸化合物によって殺害された事件で、逮捕された妻の千佐子容疑者(67)が事件直前、以前に交際していた男性の遺産贈与を受け、遺族から分配金を求められるトラブルになっていたことが関係者への取材でわかった。

 京都府警は、事件は筧さんの遺産目的で、トラブルが事件の背景にあった可能性があるとみている。

 関係者によると、兵庫県伊丹市に住んでいた男性で、千佐子容疑者が交際していた複数の相手の一人。体内から青酸成分が検出された大阪府貝塚市の男性(2012年3月死亡、当時71歳)とは別人で、千佐子容疑者は、伊丹市の男性とは12年冬、結婚相談所を通じて知り合い、交際を開始した。

 千佐子容疑者は伊丹市の男性と結婚はしなかったが、筧さんとの交際がすでに始まっていた13年9月上旬、男性に財産贈与の公正証書を作成してもらっていた。この後の同月20日、男性は同市の飲食店で千佐子容疑者と食事後、突然倒れ、75歳で死亡。兵庫県警の検視で、死因は病死とされた。

 財産贈与の公正証書を作っても、民法上、遺族には一部を相続する権利がある。男性には株など約1000万円相当の遺産があり、千佐子容疑者は、遺族が3分の2を受け取ることに同意。遺族は同月から電話などで分配を再三求めたが、千佐子容疑者は「忙しい」などと応じなかったという。

最終更新:11月20日(木)17時28分

読売新聞

 

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