20日の東京外国為替市場の円相場は午後に一時1ドル=118円98銭まで下落、2007年8月以来、約7年3カ月ぶりの円安ドル高水準を記録し、「120円台も時間の問題だ」(大手銀行)との声も出た。米紙がアベノミクスを支援するなど米国の円安容認も背景にあり、ウォン高に苦しむ韓国はさらに窮地に陥りそうだ。午後5時現在は、前日比1円21銭円安ドル高の1ドル=118円57〜59銭。
量的緩和を終了した米国と、追加緩和を実施した日本の金融政策の方向性の違いが意識され、円売りドル買いを誘った。
米国の日本経済への期待も支援材料となった。19日付の米紙ワシントン・ポストは、消費税率の引き上げ延期と衆院解散を決めた安倍晋三首相の「成功を願わなければならない」とする社説を掲載、米国の「友人である日本の経済再生」が重要とし、アベノミクスを支援すべきだと訴えた。「日本の野党はあまりに弱く、安倍首相とアベノミクスに代わる魅力的な選択肢を提示する能力がない」とも指摘した。
円安は輸入価格の上昇などの影響もあるが、日本経済全体にとってはメリットの方が大きい。対照的なのが輸出産業で日本と競合する韓国だ。1円=10ウォン割れが常態化、ここにきて9・4ウォン近辺まで円安ウォン高が進んだ。
韓国の毎日経済新聞は、米国の家電量販店で日本製テレビが円安によって値下げされていると報じた。サムスン電子など韓国勢も対抗値下げするというが、さらなる減益要因となる。
20カ国・地域(G20)首脳会合では朴槿恵(パク・クネ)大統領が円安を問題視したが、各国に相手にされなかった。韓国経済は孤立無援だ。