安倍総理大臣が、2017年4月の消費税率10%への引き上げと軽減税率導入を選挙公約にすると報じられています。
与党が軽減税率導入時期で合意、「17年度からの導入目指す」 | Reuters
軽減税率については過去記事で取り上げていますが、改めて問題点を列挙すると、
- 事務作業の煩雑化(経済全体でのコスト増)
- 軽減税率適用品目の選定が「政治的」になることが避けられない(利権の温床)
- 低所得者対策として効率でない(他により有効な手段が存在)
の三点です。2.は租税特別措置(租特)と同じ問題です。租特に関しては「租特透明化法」が成立するなど、見直しの方向にありますが、その分を消費税の軽減税率で取り戻そうという魂胆でしょうか。
大半の専門家が反対する軽減税率を選挙公約にすることは、アベノミクスが「正統派の経済理論」に基づかないことを認めたことになるのではないでしょうか。
消費税軽減税率は、低所得者対策にならない | 岐路に立つ日本の財政 | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト
「ファンタジー」の法人税減税に続き、アベノミクスは残念な方向に向かいつつあるようです。
Economic theory has moved on a bit since Laffer scribbled out his notions on a hotel napkin in the 1980s. Sadly, politicians remain wedded to the fantasy that tax cuts will encourage investment and boost revenue yield in the long run. Evidence suggests that this has no basis in reality.*1
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*1:強調は引用者