韓国軍:実戦配備もままならない最新救難艦「統営」

「光陽」は老朽化、代わりの「統営」は不正絡みで捜査中

 防衛産業企業に絡む不正の象徴になってしまった韓国製救難艦「統営」に韓国軍が頭を抱えている。「統営」は実戦配備が先月推進されたものの世論の猛反発に遭い挫折、退役船齢を超えた「光陽」は老朽化で救難機能に欠け、事故の危険にさらされているとの指摘が出ているためだ。

 これについてある海軍関係者は19日「昨年末に退役することになっていた『光陽』はいつ故障してもおかしくないため気をもんでいる。性能は既に大幅に衰えており、本来の機能が発揮できないばかりか、事故の危険性もある」と語った。「光陽」は旅客船「セウォル号」沈没事故で限界を見せた。軍関係者によると、就役時の最高速度は16ノット(時速30キロメートル)だったが、今は8ノット(時速15キロメートル)しか出せず、セウォル号沈没海域の珍島沖孟骨水道では潮流に押され6ノット(時速11キロメートル)でかろうじて航行、風が強く吹けば漂流したという。海軍関係者は「船の停泊に使われる『いかり』は腐食が激しく、いつ切れてもおかしくない。全体的に老朽化が進んでいる『光陽』では何が起こるか分からないので慎重になっている」と話した。

 1968年に進水した「光陽」の老朽化が深刻なため、海軍では昨年末、「統営」と交代させる計画を立てていた。ところが、「統営」の試験運用評価過程で、遠隔操作無人探査機(ROV)や音波探知機(ソナー)の問題が発覚、導入計画が遅れた。問題は、性能改善が不十分なため今年も「統営」就役が延期される可能性が高まったということだ。合同参謀本部は先月、合同参謀会議を同議長の主管で開催、「統営」をまず就役させてから性能を向上させる案を検討しようとしたが世論の非難を浴び、計画を取り消した。軍関係者は「防衛産業不正の温床と言われるようになってしまった『統営』をひとまず就役させることについて、世間は良く思わなかった」と語った。軍が「統営」を就役させたとしても、戦力化には6カ月かかると見ている。

 「統営」は問題となったROVの性能については改善したが、「1970年代レベル」と酷評されたソナーはそのままだ。軍関係者は「代案がないため、『統営』を就役させなければならないことはみんな分かっているが、捜査対象になっているだけに、誰も『ひとまず就役させよう』とは言えない状況だ」と述べた。

梁昇植(ヤン・スンシク)記者
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  • ▲ほこりが付かないように防塵ネットがかぶせられた「統営」。

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