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【衝撃事件の核心】
「過激派と呼ぶな」〝京大ポポロ騒動〟の複雑怪奇 中核派逮捕が公安潜入の引き金!? 〝元祖〟の元被告はノーコメント
京都大のキャンパスに11月4日、無断で立ち入ったとされる私服の警察官が学生グループや京大副学長らとの間でトラブルになった騒動。「学生運動」や「大学の自治」が注目され、「キャンパスに警察官が立ち入ることの是非」がクローズアップされたのは、実に数十年ぶりのことかもしれない。ただ、今回の騒動は「警察対大学」という図式だけにおさまるものではない。大学当局と中核派グループという微妙な関係に加え、過激派を監視対象として情報収集や取り締まりにあたる「公安警察」が絡み合った複雑怪奇な様相が浮かぶ。判明している範囲で騒動を検証したい。
LINEも飛び出し…口の重い当事者たち
確認しておかなくてはならないのは、この騒動は、まだ事態のすべてが明らかになっているわけではないということだ。
騒動を招いたそもそものきっかけは、11月2日に東京・銀座でデモ行進をしていた京大生の男ら3人が機動隊員に暴行したとして公務執行妨害容疑で逮捕された事件だったとみられる。
ただ、京都府警は騒動の経緯をいまだ「確認中」としている。大学当局も短いコメントを発表したのみで、経緯を詳しく説明していない。学生グループの記者会見はあったものの、警察官サイドと見解の食い違いがあるかもしれず、今後、捜査や確認作業が進む可能性もある。
衆人環視の中で起きた出来事ではあるが、当事者たちの口は重い。
警察も大学も何か奥歯に物が挟まったような対応をとっている印象を受ける。ようやく13日、京都府警は「逮捕者奪還の恐れがあった。正当な職務執行であった」とする見解を示したが、詳細な説明までにはいたっていない。
大学側は副学長までが現場に出向いた事案にもかかわらず、取材に「分からない」「言えない」を連発し、相当ピリピリとした雰囲気だ。学生グループたちだけが、立場を鮮明にしているのだ。