民主党は17日午前、「領域等の警備に関する法律案」を衆院に提出した(写真は、衆院事務総長に法案を手渡す長島昭久ネクスト外務大臣=中央=と福山哲郎政調会長)。本法案は、武力攻撃に至らない侵害(いわゆるグレーゾーン事態)が発生した際の海上保安庁などの警察機関と自衛隊との連携を円滑化し、グレーゾーン事態への対応を強化するもの。
提出後の記者会見に臨む長島議員
提出後の記者会見で長島議員は、基本的には、公共の秩序維持には警察機関が第一義的に責任を負うという現行の枠組みは維持したうえで、警察機関による第1次対応から自衛隊による第2次対応までに時間や権限の隙間が生じるとし、「政府は(現行法の)運用の改善でしのぐ考えのようだが、われわれはこれを制度化し、国内外に可視化していくために法案を提出した」と述べ、そのポイントを、「広大な排他的経済水域を海上保安庁だけで見るというのは相当大変だ。警察機関が効果的な対応のできない可能性のある区域を『領域警備区域』として指定し、警察機関と自衛隊の連携を法制度化するものだ」と説明した。そのうえで、「この法案は、自衛隊が出動しやすい制度を作ったわけではない。基本的には、公共の秩序維持には警察機関が第一義的に責任を負うという現行の枠組みは維持する」と付け加えた。
また長島議員は、法案提出に当たり当初は他の野党との共同提出を目指したが、にわかに衆院解散が確実視される情勢となったことから、今回は調整が間に合わないとして民主党単独提出に至ったと説明した。