島田賢一郎
2014年11月20日09時34分
「日本一寒い町」がキャッチフレーズの陸別町はなぜ冷える――。雪氷学者の高橋修平・北見工業大名誉教授(66)=道立オホーツク流氷科学センター所長=がこのほど、同町の銀河の森天文台で講演し、同大の20年以上の観測データをもとに陸別の寒さのメカニズムを解説した。零下40度を観測した地点もあり、盆地状の地形や平野部の緩やかな傾斜などが「しばれ」にかかわっているという。
北見工業大は1991年から毎年12~3月、同町の約30地点で10分ごとに気温を観測し、どこが冷えて、なぜ冷えるのかを調べてきた。そのデータから、日ごとの最低気温が、市街地にある気象庁のアメダス観測点より低い地点が何カ所もあり、市街地から南へ約3キロのトマム平野部の「高田牧場」が最も冷えることがわかったという。
高橋さんによると、ここでは2000年1月27日に公式な観測値ではないものの零下40・0度を観測。陸別の過去最低気温として同じ日にアメダスで観測された気温は零下33・2度で、それよりも6・8度低く、1902年(明治35年)1月25日に旭川で観測された国内最低記録の零下41・0度にも迫った。
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