2014-11-20
■[社会] リフレ政策はトリクルダウン理論じゃないよ、という話
「アベノミクス」の図解としてこんなのが出回っていますが、違いますよ、という話。
アベノミクスで株価も上がってるし大企業の業績も回復しているのに庶民が景気が良いと感じないのは何故なのか、わかりやすく図にしてみました。 pic.twitter.com/BtYW2JG2FU
— カレーの鬼 (@Oni_Curry) 2014, 11月 12
これ、元ネタの図は Trickle down economics (トリクルダウン理論)の説明です。
しかし少なくとも、いわゆる「アベノミクス第一の矢」であるリフレ政策は、トリクルダウン理論ではないですよ、という話をします。
トリクルダウン理論というのは金持ちの金儲けを優遇する政策をとって金持ちをもっと金持ちにすれば自然に貧困層も潤うよ、だから大企業の法人税を減税したり、所得税の累進課税を緩めたりするといいよ、というもの。
一方、リフレ政策というのは、要は金利を下げてインフレにするということです。通常はデフレの時は中央銀行が金利を下げればいいのですが、金利をゼロまで下げてもデフレが続くと、それ以上金利を下げられなくなります。そこで、予想インフレ率を上げることで実質金利をさらに下げるのです。やり方は違いますが、目指す結果は基本的に同じです。
金利を下げてインフレにするのは金持ち優遇を目的にしているわけではなく、実際必ずしも金持ちが得するとは限りません。というか、お金を持っている人がお金を溜め込まずに使う方向に行動を変えると得をする(変えないと損する)状況にするのが目的です。
人を雇って事業をしている人は、人をもっと雇うと得するようになります。現金を持っている人は、持っているお金を事業をしている人に投資した方が得するようになります。土地や商品などの資産を担保に借金をして事業をしている人は、事業を拡大した方が得するようになります。
一定の人々が上で述べたように行動を変えて得することで、需要は拡大し、インフレは進み、より多くの人が同様に行動を変えていくことになるでしょう。
お金が上から下へと順番に落ちてくるというような単純な話ではなく、様々な経路でお金が回り出すのです。順番としては、お金を動かしやすい人から得をする傾向はあるし、それはお金持ちから、という部分はありますが、お金持ちたちにお金が行き渡らなくても失業率の低下や企業倒産の減少は進みます。
「景気回復の実感がない」という人は実際少なくないと思いますが、それは行動を変えにくい人、逆に言うと安定している人なのだと思います。たとえば、それなりの企業に正規雇用で長年勤めていて定期預金でがっつり貯金してるような人は、景気回復の途上ではむしろ損するかもしれません。
あと、安倍内閣は「アベノミクス」だけやってるわけじゃないので、他の政策の影響はあります。例えば福祉削減で景気回復以上の損害を被っている人は大勢いるでしょう。そして4月の消費税増税の影響が景気回復分を吹き飛ばしてしまっているのは周知の通りです。
以上、まあ、素人の言うことなので話半分に聞いていただいても構いませんが、とりあえず、
というあたりだけは確かなのでご注意を、ということで。
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