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【プロ野球】

大谷出た!160キロ4イニング7K

2014年11月19日 紙面から

日本―MLB 1回表2死一塁、ロンゴリアを空振り三振に仕留める大谷

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◇日米野球<第5戦> MLB3−1侍日本

 侍ジャパンの先発・大谷翔平投手(20)=日本ハム=が18日、日米野球最終第5戦(札幌ドーム)で圧巻の奪三振ショーを演じた。1回の3者連続を含む4イニング7K。制球を乱した3回に2点を失ったものの、最速160キロをマークし、若き剛腕が強打者が居並ぶMLBオールスターチームに強烈なインパクトを与えた。試合はMLBが日本を3−1で破り連勝、対戦成績は日本の3勝2敗。MVPには5試合で6安打4打点のソフトバンク・柳田悠岐外野手(26)が選ばれた。

 収穫たっぷりの、大谷の初代表が終わった。中継ぎで侍デビューした第1戦から中5日で初先発し、4イニングを6安打で2失点(自責点0)。負け投手にはなったが、1回の4人目・ロンゴリアへの3球目で160キロをマーク(空振り三振)した。計68球中41球が150キロ以上。7奪三振、特に3回1死満塁のピンチを連続三振で切り抜けるなど、手応えもつかめたはずだ。

 「球やマウンドの違いもあったが、打たれたことも含めいろいろ勉強になった。ただ、先に点を与えたことと先頭の出塁が多かったことは反省しないといけない。甘く入ったり、カウントを整えにいった気の抜けた球はとらえられたが、狙ったところで空振りが取れたのは良かった。来年に向けて、いい終わり方ができたと思う」

 こう振り返る大谷の目が、充実感で輝いていた。

 1回は12球中10球がストレートと力押しで行ったが、2回以降はモデルチェンジし、変化球を交えて組み立てた。「シーズン中はあまり使わなかったカーブが使えた」と、新たな発見もあった。直球とは40キロ以上差のある最遅112キロのカーブを7球交え、効果的にカウントを整えられた。

 侍ジャパンの初練習だった9日には、ソフトバンク・武田に「カーブを教えて欲しい」と直談判し、握りや投げ方を教わった。今回は「いつも通り投げる」と『武田カーブ』ではなかったが、こういう高いレベルでの情報交換や切磋琢磨(せっさたくま)も代表入りしてこその経験だ。

 今回は二刀流は封印して投手に専念。「(メジャー投手が)どんな球か野手と話した。気になるが、まだそこ(打者)では評価してもらってないということ」とちょっぴり悔しさも。だが、日々進化し続けている大谷なら、いずれは国際戦の打席に立つ日が来るかもしれない。

 岩手・花巻東高時代はメジャー志望を表明し、一度は日本ハム入団を拒否したこともあった。そのあこがれのメジャー・ファレル監督が「100マイル(約160キロ)出ていい肩をしていたが、真っすぐ以外も優れている。素晴らしい未来を予感させたし、どんな球界でも通用するだろう」と太鼓判を押した。「(メジャーは)まだまだ手の届かない場所だが、これを積み重ねていけば、少しはぶつかっていけるかな」。夢への階段をまた一歩上った。(竹村和佳子)

 

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