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サッカー日本代表コラム
長らく日本の中盤でコンビを組む遠藤保仁と長谷部誠。久々の代表戦でも息のあったコンビネーションと高いクオリティを見せ、若手に易々と世代交代をさせるつもりはなさそうだ。
photograph by AFLO
サッカー日本代表特報

アンカーとインサイドハーフ。
遠藤と長谷部が語る、その役割とは?

佐藤俊 = 文

text by Shun Sato

photograph by AFLO

 ホンジュラス戦、オーストラリア戦と、2連勝で2014シーズンを締め括った日本代表。

 その立役者となり、攻守に利いていたのがインサイドハーフの遠藤保仁とアンカーの長谷部誠だった。

 南アフリカW杯で岡田武史監督が採用したことがあるが、ほとんど4-3-3でしか存在しないインサイドハーフとアンカーは、日本ではなじみが薄いポジションである。

 アギーレ監督は就任当初より4-3-3を採用すると公言していた。ところが4試合戦って1勝2敗1分けと、結果もさることながら中盤があまり機能しない、という問題を抱えていた。それはアンカーとインサイドハーフの役割を、それぞれの選手が十分に消化できていなかったことが大きい。

 その「役割」のあるべき姿を、長谷部誠と遠藤保仁が見せてくれた。

岡田ジャパンでの阿部勇樹とは、仕事が全く違う。

 では、アンカーはどんなプレーが求められるのだろうか。

「南アW杯の時のアンカーとは役割が全然違うし、初めてだったので頭を使いながらやりました」

 長谷部の言葉通り、今のアンカーは4年前に阿部勇樹が務めたポジションとは、その役割を大きく変えた。南アフリカW杯の時の阿部の仕事は、中盤の底に張り付いてバイタルエリアの侵入者を掃除する、いわゆるスイーパー的な役割。つまり、守備がメインだった。

 だが、今のアンカーは守備だけにとどまらない。簡単に言えばチーム全体の攻守をコントロールするポジションだ。

 例えば攻撃の時、長谷部はセンターバックをうまく使いながらビルドアップに加わり、最終ラインのひとつ前に出てボールをさばいていた。

 守備では、常に吉田麻也と森重真人との距離を保ち、相手FWへのくさびにアプローチしたり、バイタルに入ってくる選手へのチェックを怠らなかった。サイドからの攻撃に対しては、本当ならチェックに行きたいところを中央で我慢して、クロスやスルーパスに対処した。「サイドにつり出されない」という鉄則を長谷部は厳守したのである。

 ポジショニングを常に考え、運動量と的確な状況判断を求められる。さらに、チームをうまく動かすためにリズムを作る。実にやるべきことが多いのだ。

【次ページ】 シャビ・アロンソやピルロを参考にした長谷部。

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