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「幸福の」ロケ地が黄色いハンカチ掲げる

 日本を代表する俳優、高倉健(たかくら・けん)さん(本名小田剛一=おだ・ごういち)が10日午前3時49分に悪性リンパ腫のため都内の病院で亡くなっていた。83歳だった。

 高倉さん主演映画には北海道を舞台にした作品が多く、ロケ地となった道内各地から別れを惜しむ声が上がった。

 ファンが訪れる“聖地”が夕張市にある。「幸福の黄色いハンカチ」のロケ現場跡地「『幸福の黄色いハンカチ』思い出広場」は、上映から37年がたった今でもファンが絶えず足を運び、今年も来場者が1万人を超えた。今月3日で営業を終了し冬季休業中だったが、映画ファンからの要望が相次ぎ、今日19日から30日までの限定で臨時オープンが決定した。関係者はこの日、シンボルの黄色いハンカチを掲げるなど準備に追われた。

 夕張市が07年に財政再建団体となった際に存続が危ぶまれたが、同所を含む観光施設を観光業の加森観光が運営委託し現在まで残されている。同社広報担当の倉田智夫さん(40)は「営業することで追悼の気持ちを込めたい」と話した。

 「鉄道員」が撮影された南富良野町では、映画がきっかけで高倉さんとの交流を続けてきた。地元婦人会で会長を務めていた佐藤圭子さん(75)は、撮影当時炊き出しを行った。ジャガイモを使った郷土料理いも団子を気に入ってもらい、毎年ジャガイモ10キロ分を段ボールで送っていた。例年すぐに自筆のサインが書かれた礼状が届いていたというが、今年は先月末に送っても便りは届かなかった。「返事が来なくておかしいなと思っていたら…残念」と声を詰まらせた。

 高倉さんは「網走番外地」シリーズが出世作となった。同作の1作目から10作のメガホンを取り、05年に亡くなった故石井輝男監督の墓が網走市内にあり、高倉さんが揮毫(きごう)した「安らかに」の文字が刻まれている。博物館網走監獄の配島淳事務局長(54)は「網走の名を有名にしてくれた。ご冥福をお祈りしたい」と悼んだ。

 [2014年11月19日7時54分 紙面から]

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