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武田鉄矢を泣かせた健さんの握手

涙ぐみながら、高倉健さんとの思い出を語る武田鉄矢(撮影・近藤由美子)
涙ぐみながら、高倉健さんとの思い出を語る武田鉄矢(撮影・近藤由美子)

 日本を代表する俳優、高倉健(たかくら・けん)さん(本名小田剛一=おだ・ごういち)が10日午前3時49分に悪性リンパ腫のため都内の病院で亡くなっていた。83歳だった。

 高倉さんの主演作「幸福の黄色いハンカチ」で映画デビューした武田鉄矢(65)が18日、都内で会見した。この日、マネジャーからの連絡で訃報を知った。「この事実をどう受けていいのか、ぼうぜんとしています」。時々手紙のやりとりをしていたものの、10年前に会ったのが最後という。

 「幸福の-」のラストで青空の下で武田が涙を流す場面があった。撮影は天候に恵まれず、4日間現場で待機。天候の変化を待つ間、自分たちが離れた場所で休憩などしている間も、高倉さんは「気持ちが切れるから」と立ち位置から離れず、待機していたという。「5日目に、撮るとなっても僕は気持ちができていない。涙が出ませんでした。健さんが急に振り返り『1カ月のロケはつらかっただろ。東京に帰っても元気で暮らすんだよ』と握手してくださって。この人と別れるのは…と、作品関係なく泣いちゃって。健さんのサポート、演出で撮れました。あの時の恩義は忘れられません」。

 高倉さんがレストランを貸し切りにして、武田、桃井かおりを夕食に連れ出したことがあった。「なるべく新人にやさしくしてあげたい。それは健さんがお手本」。大スターの孤独にも触れた。「『健さんは富士山だから』とヨイショの一言を言うと『富士山は寂しいぞ』と。寂しい思いをいくつも抱かれていたんですね」。

 印象に残る一言は「どんな仕事も真摯(しんし)に、必死にやれ」。「頑張って仕事をしてもう1回、頑張ったとほめられたい」と言い涙をふいた。【近藤由美子】

 [2014年11月19日7時12分 紙面から]

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