動物たちにぬくもりを!

動物愛護活動の活動経過や日々の出来事、世の中の動き等幅広く紹介します。

熊本市動物愛護センター所長

2012-10-09 08:14:07 | 頑張る行政

熊本市動物愛護センター所長 村上睦子さん(52)

動物に優しい社会にできますか? 殺処分への怒りが原動力

2012年9月24日 読売新聞


村上睦子さん

熊本市動物愛護センターは、殺処分ゼロを目標に掲げる。
犬の殺処分は、2000年度の693匹から昨年度はわずか16匹にまで減った。
猫もこの間、最も多い年で963匹が殺されていたが、昨年度は20匹。
無責任な飼い主の安易な引き取り請を拒否し、譲渡先を懸命に探して、殺処分される犬猫を劇的に減らした取り組みは「熊本方式」と呼ばれる。

 ――猫の緊急譲渡会を4月以降、2回開いたそうですね。
 「センターで保護する猫が増えています。現在、犬76匹、猫74匹がいますが、どちらも限界に近い。引き受け手が現れず、長くいる犬や猫が増えているためです」

 ――厳しい状況のなかで殺処分を大幅に減らせているのはなぜですか。
 「私たち行政が頑張れば、動物愛護推進協議会も頑張ってくれるし、ボランティアも頑張ってくれる。そうしたプラスの循環があります。民間の動物愛護団体は行政を厳しく批判することが多いのですが、熊本市の協議会に入っている方々との関係は良好です」

 ――離乳前の猫は職員が自宅に連れ帰って世話をするそうですね。ボランティアを含めて負担が大きすぎないですか。
 「無理なくやっていこうといつも話しています。小さなやる気でいいから、みんなで持ち寄れば、目標がが達成できると思っています」

 ――みなさん一生懸命ですね。
 「殺処分に対する怒りが原動力です。なんでこんなことをしないといけないのかという怒り。動物たちは餌をちゃんと食べ、生きる意欲があるのに。無責任な飼い主には『もう飼わないでください』と言うことがあります。犬や猫に罪はない。悪いのは人間です」

 ――この仕事をしていてよかったと思うことも多いのではないですか。
 「吠(ほ)え癖がどうしても直らない犬の飼い主には、声帯除去について説明します。数年前に声帯を除去した犬の飼い主さんから最近電話がありました。『最初は、ちょっとどうかなと思ったんだけど、犬の死を選ぶか、声帯除去を選ぶかを考えて声帯除去を選んだ。おかげで最後まで飼えた。安らかに逝きました』と感謝されました」

 ――動物を飼う上での心構えを教えてください。
 「最後まできちんと飼えるか家族でよく話し合ってほしい。犬や猫をみとるのは努力がいるし、お金もかかる。場合によっては、飼わないことも立派な動物愛護です。家族の一員であり、社会の一員でもあると思ってしつけをすれば、ご近所に迷惑をかけることも減るでしょう」
 「犬や猫と仲良くしようと思ったら、まず好かれないといけない。相手の気持ちを思いやるという人としての根幹が自然に育つ。最後まで動物を世話する親の姿を見た子どもは、親を大切にする人になると思います」

 ――村上さんも何か飼っていますか。
 「今は犬を飼っています。猫はけっこう自分というものを持っていて、そこがかわいかったりするんですが、犬は人を頼ってくる。ウチの犬のおでこに私のおでこを合わせていると、お母さん大好きよって言われている気がする。身勝手な想像かもしれませんが」

 ◇むらかみ・むつこ 1959年、熊本市生まれ。九州女学院高、北里大獣医学部卒。84年、熊本市役所に入り、食中毒検査などに従事。環境企画課などを経て、2001年から市動植物園で獣医師として動物の健康管理を担当。07年、動物愛護センターに異動し、12年4月から所長。

<後記>
「殺処分ゼロ」は、動物を助けたいと強く願うさまざまな立場の人たちが協力し、役所全体が支え、多くの市民が応援するといういくつもの条件がそろって初めて可能なのだろう。
熊本市動物愛護センターの画期的な試みは、さまざまなメディアで繰り返し全国に伝えられ、熊本市だけでなく、熊本という地域全体のイメージを高めている。
 病気などでどうしても避けられない殺処分は現在、獣医師が1匹ずつ麻酔薬を注射して行っている。
多数の犬猫を炭酸ガスで1度に殺し、焼却までできるという大型の「殺処分機」をセンターで間近に見て、使われなくなって良かったと素朴に思った。
(岩永芳人)

http://emibingo.blog49.fc2.com/blog-entry-1720.html

                                                 以 上

いろんな著書出版や雑誌掲載がされていますがこの記事は簡潔にまとまって熊本市動物愛護センターの取り組んできた歩みがよくわかります。
職員さん方の苦労は並大抵のことではなかったでしょう・・・
でもそれが大きな殺処分削減に繋がっています。
「熊本方式」ぜひとも見習うべきです。

ジャンル:
ウェブログ
この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加 mixiチェック
« 子犬・子猫で集中力アップ! | トップ | 保護・収容動物のお知らせ »
最近の画像もっと見る

あわせて読む