不正に入手した他人のIDやパスワードを使ってインターネット接続業者にアクセスしたとして、警視庁は19日、不正アクセス禁止法違反の疑いで、東京都内のサーバー管理業者などを家宅捜索した。容疑が固まり次第、関係者らを逮捕する方針。京都、埼玉など10以上の府県警も同日、各地で管理業者の一斉摘発に乗り出した。
業者はネット接続を中継する「プロキシサーバー」を管理している。プロキシサーバーを経由するのは本来、接続速度を速くするなどの目的があるが、ネット上の番地に当たる「IPアドレス」が置き換わり、発信元の特定が難しくなるため、サイバー犯罪の温床になっていると指摘されていた。
捜査関係者によると、都内の管理業者のプロキシサーバーを経由して、何者かが他人のIDやパスワードで接続業者にアクセスした形跡があった。管理業者は顧客が自社のサーバーを不正アクセスに使うのを認識していた疑いが持たれている。
プロキシサーバーを巡っては、警視庁などが2~4月、管理業者「中都商事」(東京・豊島)社長の中国籍の男らを不正アクセス禁止法違反や著作権法違反の疑いで逮捕。3月には同庁が、大手接続業者にプロキシサーバー業者と契約しないよう要請していた。〔共同〕
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