[PR]

 岐阜県美濃加茂市への浄水設備設置をめぐる贈収賄事件で、事前収賄などの罪に問われた市長の藤井浩人被告(30)の公判が19日午前、名古屋地裁であった。藤井市長への贈賄を認めている設備会社社長の中林正善被告(44)が出廷し、改めて捜査機関による供述の誘導について否定した。

 中林社長はこれまでの公判で、「昨年4月に2回、飲食店で同席者が席を立った際に市長に現金を渡した」などと証言していた。 この日の公判では、贈収賄事件の捜査中だった今年4月ごろ、中林社長と同じ警察署の留置場に収容されていた男性が証人として出廷。贈賄容疑で聴取を受けていた中林社長から現金授受の際の同席者の人数について、「警察や検察から『人数が合わない』と言われて困っている」などと打ち明けられたと述べた。

 これに対し、続いて証言した中林社長は「『取り調べが長い』という話はしたが、同席した人数に関する話はしていない。取り調べで『人数が合わない』と言われたこともない」と反論し、誘導による供述はないとした。

 公判は12月19日に検察側の論告、同24日に弁護側の弁論をし、結審する見通し。