日韓首脳会談:秋は困難…朴大統領「日本は努力を」
毎日新聞 2014年10月24日 23時40分(最終更新 10月25日 10時22分)
【ソウル大貫智子】訪韓中の額賀福志郎・日韓議員連盟会長ら超党派の議連幹部12人は24日、韓国青瓦台(大統領府)で朴槿恵(パク・クネ)大統領と会談した。額賀氏が安倍晋三首相のメッセージとして日韓首脳会談の開催を呼びかけたのに対し、朴大統領は従軍慰安婦問題での日本側の解決に向けた努力が必要との考えを改めて示した。日韓両政府は11月に北京で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)での首脳会談開催を模索していたが、産経新聞前ソウル支局長の在宅起訴問題も響き、今秋の開催は見送られる公算が大きくなった。
◇額賀氏ら面会
会談冒頭、朴大統領は「慰安婦問題は、韓日関係が新しい出発をする最初のボタンだ」と言及。元慰安婦が生きている間に名誉回復のための措置をとるよう求めた。これに対し額賀氏は、安倍首相は日本の植民地支配を謝罪した村山談話や慰安婦問題への軍の関与を認めた河野談話を継承する立場だと強調。慰安婦問題は外務省局長級協議で解決策を見つけることが大事だと伝えた。
ただ、額賀氏は、首脳会談の時期について「今後の国際会議などで」と述べるにとどめた。9月に森喜朗元首相が朴大統領と会談した際の安倍首相の親書では、APECなどを想定して「今秋の国際会議」と踏み込んでいた。
日本側は、韓国が慰安婦問題を国際社会にアピールしていることに反発しており、産経新聞問題は韓国の不当性を訴える格好の材料となった。一方、韓国側は日本が慰安婦問題で新たな解決策を提示しないことに失望感を深めている。
ただ米国が日韓関係改善を強く求めていることなどから、両国とも当面は外交当局間の協議や議員間の交流などで環境整備を図っていく方針だ。