トマ・ピケティ「21世紀の資本論についての新たな考察」スピーチ動画
フランスの経済学者トマ・ピケティによる、世界的に話題となった著書「21世紀の資本論”仏: Le Capital au XXIe siecle 、英: Capital in the Twenty-First Century”」(「21世紀の資本」としてみすず書房より刊行予定)について語ったTEDスピーチ動画。その趣旨をギュッと濃縮しているのだろう、わずか十六分ほどのスピーチ(と質疑応答で二十分程度)ながらその内容は非常に濃く、凄い勢いで語られている。みすず書房の同書ページに貼られているスピーチ動画の日本語字幕付き版ですね。
日本語訳は12月9日発売予定
クレバーな語り口で非常に噛み砕いて語られているものの、特に経済学を本格的に勉強したわけでも無いので、とてもスピーチの内容を理解できたなどとは言えないが、それでもとても興味深かった。
経済学者・専門家による本書に関する多くの紹介記事でも説明されているように、ピケティは所得と富の分配の歴史に基づいて『長期的には資本収益率が経済成長率を上回る』(r> g)こと、そして、それが富の集中に繋がりやすく、また『資本収益率と経済成長率とが乖離すればする程、富の格差(資産の格差)が高まって行き、社会一般的にこの現象に収束しがち』であるという。
この点について、ピケティは、第一に一世紀の間で欧州と米国との所得格差が逆転した、すなわち1900-10年代には米国の所得格差より欧州の所得格差の方が大きかったが、2000-10年代には欧州の所得格差より米国の所得格差の方が大きくなったこと、第二に、財産格差は所得格差よりも常に大きいこと、という二つの事実を挙げて、論を展開している。
とくに欧州では総資産/総所得比率は第一次大戦前の水準に戻っているが、富の格差はそうではない、という指摘が興味深い。その違いは中産階級の存在で、当時はトップ10%が富の90%を占めていたが、現在はトップ10%が60~70%、ミドル40%が20~30%の国民純資産のシェアを占めているという。このような事実を踏まえつつ、産業革命後から現在までのr> gの公式を巡る諸変化を述べ、経済の透明性と富の再配分の必要性について論じている。
スピーチ後の質疑応答では富の再配分を促す経済政策の実現性、経済的不平等の是正が経済成長を阻害する可能性、議論を呼んだ自著のデータの妥当性などについて答えている。
二回観直したぐらいではまだよく理解できていないな。日本語版翻訳者の山形浩生氏による資料のオンライン公開サイト「Thomas Piketty – capital21cenJapanese 」の資料に目を通しつつ、あらためてじっくり見直して行こうと思う。
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