「生ききった安らかな笑顔でございました」
所属事務所、高倉プロモーションは、悪性リンパ腫と闘った健さんの最期をこう表現した。
同事務所によると、次回作の準備中に体調を崩して入院。治療を続けたが、容体が急変し、病院スタッフらに看取られ、息を引き取った。葬儀は故人の遺志に従い、近親者で執り行われた後、書面で発表された。
次回作は、遺作となった映画「あなたへ」(2012年)のスタッフで作る親子の物語だった。脚本は固まっており、降旗康男監督(80)で来春撮影予定だったが、新作の映画関係者が最後に会ったのは8月末の打ち合わせ。私生活を公にしない健さんは、近い関係者にも体調のことは伏せていたとみられる。最後の仕事も、8月に撮影された健康食品通販「健康家族」のCMで、この後に闘病生活に入ったようだ。
福岡県生まれの健さんは、明治大学卒業後の1955年にスカウトされ、東映ニューフェース第2期生として東映に入社。演技経験はなかったが、ボクシングなどで鍛えた肉体を生かし、翌56年に映画「電光空手打ち」で主演デビューした。