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5.究極の脱税方法は?

 脱税をやり遂げるには、売上や経費を操作して税務調査官と知恵比べをする愚を冒すよりも、税務調査そのものを回避する方が賢明だということで、

・税務調査官を丸め込む
・わざと赤字
・所在地をあいまいにする
・代表者を特定させない

という方法をご紹介しました。しかし、税務調査そのものを回避する方法として、これらをはるかに凌ぐ、究極の脱税方法がまだあるのです。

 「脱税は殺人よりも難しい」と云われることがあります。その理由は、脱税とは、自らが開業届という容疑者宣言をしたうえで、確定申告書という主要な証拠を当局に提出して実行しなければならない、非常にハードルが高い犯罪だからです。これに対し、殺人は、容疑者宣言などをする必要は全くなく、証拠隠滅もやり放題です。そもそも、死体があがらなければ、殺人があった、という事実そのものが露見することもありません。

 これを逆に考えていくと、全く違った景色が見えてきます。

 税金を納付しなければならないのは、確定申告書を提出しているからで、この確定申告書を提出しなければならないのは、開業届を提出しているからです。そして、開業届を提出しているからこそ自らの存在を税務署に認知されてしまうわけで、諸悪の根源?である開業届を提出しなければ、全てを闇に葬れる、ということになります。

 究極の脱税方法は、そもそも全ての納税手続き自体を一切行わず「無申告」を通すことだと云われています。というのも、日本では、サラリーマンを除く納税者は、自らが税務署に税金を計算して申告する制度になっているので、本人が申告しなければ、これと連動している税金の納付も結果として免れてしまいます。当然、税務署は無申告者の摘発に注力していますが、誰がどこで事業を行っているのかということは、そう簡単に把握できるものではありません。

 法人だと設立にあたって登記をしなければならないので、これを端緒に容易に調査ができるのでは、と想像してしまいます。しかし、登記した法人のデータが自動的に税務署へ全て転送されて開業届提出の有無をチェックするようなしくみになっているわけではないので、法人設立に登記が必要だからといって、これに伴って開業届提出の有無を税務署が簡単に把握できるわけではないのです。

 ましてや、法人化せずに個人事業として営んでいれば、ハードルはさらにあがります。実店舗を持つビジネスなら、これを手がかりとして税務署としてもまだチェックのやりようがありますが、店舗を持たないネットビジネスやコンサル系ビジネス等であれば、税務署がこれらの実態を把握するのはかなり厳しくなります。顧客は全てクチコミで料金も手渡し、一切の収入記録も残していない、とくれば、全くのお手上げ状態になります。

 また、仮に無申告者が発覚しても、それが納税の対象となるかは別問題です。収入があっても、事業に必要となる経費、そして、基礎控除や社会保険料控除等の所得控除を勘案すれば、収入はあっても課税所得はマイナスになる可能性があります。税務署は「徴税ビジネス」とも云われていて、彼らは如何に効率よく税収を増やすかというノルマに追われていますから、効率の悪そうな相手に対しては敢えて税務調査を実施しない傾向にあるようです。

 課税所得がマイナスであっても、法人や個人事業主なら確定申告は必要です。しかし、課税所得がマイナスであれば納付する税金がそもそもないので、このような無申告者を苦労して見つけ出しても、徴税することができなければ彼らのノルマ達成には全く貢献しないので、自然と足が向きにくくなる、というわけです。

 では、究極の脱税方法ともいえる「そもそも全ての納税手続き自体を一切行わず全くの無申告を通す」という方法は、良いこと尽くめの万々歳なのか、というと、残念ながら、そうではありません。それ相応のリスクやデメリットも存在するので、それなりの覚悟が必要です。

 当たり前ですが、無申告による脱税が発覚すれば、本来の税金に加えて追徴課税を課せられます。自らに税務調査が直接入る可能性は低くても、売上や仕入などの取引相手が事業者であれば、その事業者の反面調査として調査される可能性はあるので、これを端緒として、脱税が発覚することはありえます。そうなると、税金の時効は7年なので、最大7年分まで遡って、本来の税金に加えて罰金にあたる加算税と利息に該当する延滞税を支払わなければなりません。

 そして、脱税が発覚しなかったとしても、次に、社会的な制裁がまっています。まずあげられるのは、クレジットカードやローンでの借り入れが出来ない点が挙げられます。無申告による脱税をしている期間は、公には無収入又は低額所得者として社会的には認知されることになるので、納税証明書は発行されず、安定した収入があることが前提となるクレジットカードやローンを組むことは不可能となります。

 また、社会的な信用力を証明できないので、ビジネスの世界では当たり前である、掛けによる商売も困難です。存在そのものがないことになっているので、当然、商工会などの事業者団体にも加入できません。

 プライベートなことであれば、独身だと、結婚するのも厳しくなるでしょう。税金を納めていない、つまり、まともな収入が無い、そんな男に娘の結婚を許す親はいません。そもそも親にたどり着く前に、まともな収入がないとなれば、女性から相手にされません。

 このように、無申告による脱税によって税金を払わないことは、その代償として、ビジネス的な信用が無いばかりか、社会においてその存在価値が認められません。一生を裏社会で過ごす、という強い決意がある人を除いて、普通の人生を送りたいのであれば、無申告による脱税は、その代償があまりにも大きいといえるでしょう。
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