霧島連山・硫黄山:湧き湯の温度上昇38度超 えびの高原

毎日新聞 2014年10月25日 09時53分(最終更新 10月25日 10時24分)

消防隊員(後方)の呼び掛けで足早に下山する登山客ら=宮崎県えびの市の韓国岳登山口で2014年10月24日、重春次男撮影
消防隊員(後方)の呼び掛けで足早に下山する登山客ら=宮崎県えびの市の韓国岳登山口で2014年10月24日、重春次男撮影

 気象庁は24日、鹿児島、宮崎県境の霧島連山・硫黄山の警戒レベルを「噴火予報(平常)」から小規模噴火が発生する可能性がある「火口周辺警報(火口周辺危険)」へ引き上げた。

 鹿児島、宮崎県境のえびの高原で、地表に湧き出ている湯の温度が上昇していることが、九大地震火山観測研究センターの相沢広記・助教(地球電磁気学)の測定で分かった。えびの高原を含む霧島連山ではマグマによる山体の隆起や火山性地震が続いている。相沢助教は「温度上昇がそれらの観測結果と軌を一にしているとみることができる。注意が必要だ」と話している。

 霧島・新燃岳が2011年1月に噴火した際「噴火前から温泉の温度が上がっていた」などの報告がいくつか上がったため、相沢助教はエコミュージアムセンター近くの湯の湧き出し口に温度計を置き、2011年6月に測定を始めた。その結果、開始当時約37度だった湯温は、今年10月には38度を超えた。

地震の多発地域
地震の多発地域

 相沢助教は「マグマから分離した火山ガスが関係しているのは間違いない」と話す。

 宮崎県えびの市末永の土産店「足湯の駅えびの高原」の足湯も8月、平均37度の湯温が38度を超えた時期があったという。【山崎太郎、土田暁彦】

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