山本亮介
2014年11月18日03時00分
みんな、久しぶり――。東京電力福島第一原発事故で福島県南相馬市小高区から新潟に避難した住民と、現在、福島で生活を続ける住民とが交流する1泊2日の催しが新潟市内であった。参加した約40人は久々の再会を喜んだ。
新潟市北区前新田の宿泊施設「菱風荘」に8日、子どもたちの笑い声が響き渡った。ペットボトルや傘用のポリ袋でロケットを作り、完成したものを飛ばしていく。催しを企画した南相馬市立鳩原(はつぱら)小学校PTA会長の阿部治幸さん(44)は「この笑顔を見たかったから」と走り回る子どもたちに目を細めた。
子どもたちはみな、震災がなければ同小に通っていたはずだった。小高区は事故で全域が旧警戒区域に。同行した箭内晴好校長(56)によると、震災前に65人だった児童数は現在11人。今春は入学式が開けなかった。「子どもたちには心の整理もつかないままバラバラになって、複雑な思いがあるかもしれない」と心配はあるが、自然に打ち解ける姿に「地域全体が家族のような雰囲気の小高区の力を感じます」と話した。
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