東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 東京 > 11月18日の記事一覧 > 記事

ここから本文

【東京】

海外視察先のドイツ連邦議事堂 「ナチスのガス室のよう」

渋谷区議がドイツ連邦議会議事堂などを視察した結果を記載した報告書

写真

 渋谷区が計画している庁舎建て替えに絡み、九月に欧州を視察した区議四人が十七日、区議会全員協議会で報告し、視察した佐々木弘明区議(無所属渋谷)がドイツの連邦議会議事堂のセキュリティーチェックのやり方について「ナチスのガス室のようだった」と話した。出席議員からは「著しく見識を欠いている」などと批判が相次いだ。 (石井紀代美)

 全員協議会で、佐々木区議は、視察団の一行が議事堂の入り口の小部屋で、セキュリティーチェックを受けたことに対し、第二次世界大戦中にナチスドイツがユダヤ人の大量虐殺に使用したガス室になぞらえて報告した。これに対し、出席議員の一部は「そんなこと言っていいのか」と注意した。

 協議会後、佐々木区議は取材に対し、「部屋に一斉に入れられるところが、そういうふうに思えた。不適切だった。取り消します」と話した。

 視察に反対していた共産、民主、会派に所属しない議員らは「実際に悲劇を体験したユダヤ人と、過ちに向き合ってきたドイツ人、両者の感情を逆なでする発言で、許されない。笑いを取ろうと思ったのだろうが、まったく笑えない」と指摘した。

 また、佐々木区議は報告の中で、議事堂内の議場の見学について、三カ月前に外交ルートを通じて申請する必要があったが、間に合わなかったと説明。「ゲルマン民族の頑固さで見られなかった」と発言した。

 議場を見学できなかった点に共産、民主、会派に属さない議員らは「ルールなのに『ゲルマン民族の頑固さ』のせいにするのは人種差別だ」「見学できなかったことは、今日初めて知った。公費を使って何しに行ったのか」と批判した。

 視察には、桑原敏武区長の意を受け、自民党区議二人と無所属クラブ、無所属渋谷から各一人の計四人が参加し、区職員四人も随行。計約七百万円をかけ、九月三〜十日の日程で、ロンドン、ブリュッセル、ベルリンを訪問した。

 

この記事を印刷する

PR情報





おすすめサイト

ads by adingo