「デカップリング」説復活も、米株高の終わりは時間の問題か
11月17日(ブルームバーグ):「デカップリング」という流行語が復活しつつある。
これが前回もてはやされた時には、2008年の米金融危機の痛手にもかかわらず新興市場は躍進を続けることができるという希望的観測を表現する言葉として使われた。今回は日本経済の予想外の2期連続マイナス成長に象徴されるように、他国の大部分のさほどばら色でない見通しにもかかわらず、米国の好調な株式リターンと経済見通しが持続するとの期待感を記す言葉として使用されている。
数字に関しては、米国では15年の経済成長率予想の平均が3%で安定する中でS&P500種株価指数が今年は10%余り上昇。一方、欧州や中国などの成長率予想は下方修正されており、MSCIオールカントリー・ワールド(米国除く)指数 はドルベースで5%近く下落している。さらに、グーグル・トレンドでは「デカップリング」という言葉への関心は前回のリセッション(景気後退)以来の高水準にある。
スターン・アジー・アンド・リーチのチーフ市場テクニシャン、カーター・ワース氏は17日付の顧客向けリポートで、米国株と世界の株式のリターンが分岐する状況は「多くを物語り、当惑させられることであり、痛ましい」と指摘。その上で、「米株高の終わりは時間の問題であり、われわれの見方では『デカップリング』という状況は存在しない」とも述べ、「われわれは総じて売り手だ」と付け加えた。
原題:Decouple Back as Buzz Word as U.S. Stock Rally Hangs in Balance(抜粋)
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更新日時: 2014/11/18 07:43 JST