クルーグマンの11月17日のブログ(部分訳)。
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緊縮政策をすれば緊縮になる "Contractionary Policies are Contractionary"
日本から悲惨な数字が届いている。ただし、数値の低下を悪く受け取りすぎているように思うけど――これに関して僕はより詳細なデータを知らないが、他の指標はそれほど悪くないようだ。しかし、まったく先を見ず何も考えずに行われた今年春の消費増税が、まだ大きなダメージを与えている、ということは疑問の余地がない。
安倍が消費増税第2ラウンドをするつもりがないのは濃厚なようだ。これはいいニュースだ。
つまり、緊縮政策をすれば、経済が緊縮するのは当たり前なんだ。僕はそのように言うことができたし、実際、何度も何度も口を酸っぱくして言ってきた。でも、ある人々には、そのメッセージがまったく理解できないんだな。ドイツでは・・・
[中略]
しかし、ヴォルフガング・ムンシャウ (Wolfgang Munchau) が今日のすばらしいコラムで言っているように、
ドイツの経済学者は、おおまかに二つのグループに分かれる。ケインズを読んだことがないグループと、ケインズを理解できないグループである。
僕もドイツにいたらこんなふうに書くだろうね。とはいえ、彼らが理解していないのは、ケインズではなくて、需要不足は大きな問題だ、ということなんだけど。ムンシャウは僕が知らなかったことを教えてくれた。ルードヴィヒ・エアハルト (Ludwig Erhard) は、かつて、大恐慌は企業カルテルのために起きたと説明したそうだ。ドイツの経済学者の頭の中には、ミクロ経済的ゆがみしかなく、マクロ経済的問題は、ヨーロッパの2番目の大恐慌の真っただ中にいるのに、存在していないんだ。(訳注)
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(訳注)
日本でも同様です。しかし、「知らない」のではなくて、「ないことにしている」といったほうがいいでしょう。
明らかに 消費増税が原因なのに 「他の原因」にすりかえることが横行しています。
・アベノミクスの失敗だ
・異次元金融緩和のためにこうなった
・構造改革が進んでいないからだ、成長戦略が足りないからだ (この例が上のドイツの例に近い。ただし、私は、日本にはもっと規制緩和が必要だ(特に大企業を守るような規制の!)、と思っていますが)